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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part4/悲劇の序章
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ると怪しまれてしまう。
それにサイトにはもう一つ気になることがある。
(ミシェルさん…)
ゼロアイを盗んだ容疑者…ミシェル。彼女もここにいるのだろうか。
客席のどこかにいるアンリエッタや裏切り者たちを念頭に置きながらの演技は、結構気を使うが、だとしても台無しにするわけにもいかないので二人は精神面でのキツさを堪えつつ演技を続けた。


その頃の舞台裏は…。
「ふぅ、ハルナちゃんが足を怪我したって聞いたときはひやひやしたわん」
次の出番を控えた者、すでに役割を終えた者など、たくさんの共演者たちがそこからサイトとルイズの演じる、王子と姫の場面を眺めていた。
「すみません、ウェザリーさん、スカロンさん」
「突然のアクシデントは役者にはつきものよ。なってしまったものはしかたないわ、気にしないで」
ウェザリーは、謝ってくるハルナに気にしないように言う。
「それよりも、見守ってあげなさい。あなたの分も頑張っているあの子たちを」
「…はい」
ウェザリーに言われた通り、ハルナは自分に代わってノエルの役に徹するルイズと、その相手となっているサイトの姿を目に焼き付けようと、舞台の続きを見る。
双月天女。その内容は、まるで『ロミオとジュリエット』と、『かぐや姫(竹取物語)』の二作品が組み合わさったかのような物語だ。ハルナは、これら作品自体は決して嫌いとは思わない。でも、現実でその二作品のヒロインのような結末はたどりたくなかった。前者は実家が対立していることが要因で愛する人とは結局死別、後者も地球から主役であるかぐや姫が去ってしまうという結末。後味が悪い結末という共通した点があるからだ。
自分の場合は、大好きな人と、サイトと一緒になりたいという願望が強かった。死別とか離れ離れだなんて、もうたくさんだ。だから、本当に帰れるかどうかの不安こそあるが、必ずサイトと一緒に地球に帰ると誓った。
「それにしても…」
ハルナは客席の方にも視線を寄せた。アニエスの話だと、トリステインを売ろうとする売国奴をここで逮捕するという。だとするとこの劇も途中で止められてしまうだろう。
まだウェザリーにはそのことまでは話していない。知られたらきっと反対するからだ。
(後で怒って、鞄のことなかったことにするなんてことないよね…?)
皆が自分の鞄を取り戻すことに力を貸してくれたのだ。もちろん、舞台のこともせっかくだから成功させたいのだが、その辺りもまたハルナは不安だった。しかし時計の針を今更戻すことはできない。せめて、誰も悪い結果にならないことを祈ろう。


だが、その夜はある一つの悲劇が…展開されることになる。


サイトたちが双月天女を続けている間、客席にて待っていたリッシュモンのもとに、ようやく彼が待ち望んでいた人物と思われる男が現れる。
「ようやく来
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