雨夜-レイニーナイト-part4/悲劇の序章
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後を追うが、彼女がたどりつく直前で隠し通路の入口は閉ざされてしまう。
「ルイズさん!」「ルイズ!!」
仲間たちが一斉に駆け寄る。ギーシュがワルキューレを数体召喚し、その入り口をこじ開けようと試みるが、扉が全くびくともしなかった。
「この、開けやがれごらぁ!!」
グレンが乱暴に、棒でその扉を誇示上げてようとするも結果は変わらなかった。
「だめ。強力なスクウェアクラスの魔法が仕掛けられてる」
タバサが開かない理由を言った。
「おそらく高等法院長は、あらかじめ自分がどこからでも敵の手から逃げられるように通路を確保していたんだ…くそ!」
レイナールは悔しげに歯噛みする。
「なんてこった…僕たちの国の上層部に、あんな人がいたなんて…」
マリコルヌはショックを受けていた。自分たちの国に、売国奴がいた。それも怪獣を買い取り、マンチポンプで周囲の信頼を勝ち取ろうという非道な手段さえも用いようとした男が、自分たちの上に立っていたなんて思いたくなかった。
「…」
アンリエッタは唇を噛みしめ、全員に向けて叫んだ。
「出口と思しき場所を探しなさい!」
だが、その時だった。銃士隊の隊員の一人がひどくあわてた様子でアンリエッタのもとにはせ参じた。
「た、大変です陛下!外に怪獣が現れました!!」
「なんですって!?」
このタイミングで怪獣が現れるとは。なんて不運だ。
ちょうどこのとき、チャリジャの手によって怪獣ヤナカーギーが外で暴れだし、それに応戦してジュリオがゴモラを召喚したときだった。
「陛下、ご指示を」
「ッ…仕方ありません。これより民衆の避難誘導を優先して行動しなさい!リッシュモンのことは二の次としなさい!」
「はっ!全員、駆け足!」
命令を聞き入れた銃士隊の隊員たちは直ちに町へ繰り出した。アンリエッタは、今度はグレンの方を見やる。
「グレン、外でジュリオさんがご自身の怪獣を使って町を守ってくださっているはずです。力を貸してあげてください」
「あいよ。あの糞爺は俺の手でぶちのめしてやりたかったが…しゃーねぇ、世話になったお姫さんの大事な民を無視できねぇし、行ってくるぜ!」
リッシュモンを捕まえられなかったことを悔しがりつつも快く引き受け、外に飛び出していった。
「しかし陛下、いつの間に彼を召し抱えていたのですか…?」
思えばグレンがこのトリスタニアに来ていたことは誰もしなかったこと、全員がそうだったが、ギーシュが思わずその疑問を口にする。
「この国には、既に裏切り者が何人か存在しております。その容疑者の中には、ミシェルも混ざっておりました。アニエスが調べたところ…彼女もまた没落した貴族の一人だったのです」
「ミシェルが!?」
平民の女性で構成された部隊の副隊長であるミシェルが、実は貴族だった。それはルイズたちにとって衝撃
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