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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part4/悲劇の序章
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エルには、人には言えない重大な秘密がある。それは、彼女は元々敵国の王の隠し子であるということ。幼い頃権力争いから逃れるために、敵国にわざわざ逃れ、老貴族夫婦に拾われたこと。もし自分の正体が明るみとなったら、あの求婚者たちも自分を憎悪の対象とするだろう。そう思うと結婚などしたくてもすることができない。
だが、そんな彼女だが自分の想いをどうしても抑えられない相手がいる。
一人のメイドがノエルの部屋を訪れてきた。ちなみにそのメイド役はモンモランシーである。
「ノエルお嬢様、ケイン王子がご来訪ならいましたわ」
「け、ケイン様が!?わかったわ、お通しして」
その国の王子、ケインだ。彼は聡明で民を強く思う、まさに王族の鑑といえる将来有望の王子だ。
ケイン王子は予定通り、サイトが演じていた。
ケインはノエルの部屋を訪れると、ノエルの傍に寄ってくる。
「その顔、もしや悩み事かい?」
「…ッ。すぐお分かりになるのね」
それからノエルは、毎日自分に言い寄ってくる求婚者の対処に苦労していることを明かした。とりあえず無理難題をその場で考え、そして帰させる。
「しかし、君も意地悪だな。ありもしない財宝を探しに向かわせることで、結婚を諦めさせるとは」
「私は好きで嘘をついているわけではありませんわ…ただ」
「ただ…?どうしたんだい?」
「…いえ、なんでもありません。それよりも、あなたも私のことをいい加減諦めたらどうなのです?」
「そうだな。君が僕のことを嫌いだとはっきり言ってくれれば諦めるさ」
「…そんな酷いことは言えませんわ。いくら相手が意中の方じゃないとしても言い方というものがございますもの」
サイトの演技は素人にしては、ちゃんと自分の役に徹している一生懸命な若者の姿だった。少しでも王子らしく見えるよう徹底された稽古を受けたものだ。
(…ふふん、サイトにしては頑張ったじゃない。最初と比べて佇まいが様になっているわ)
本物の貴族であるルイズたちからも手ほどきを受け、あまりに慣れない行為に体が悲鳴をあげそうになったほどだったのは記憶に新しい。
(それにしても姫様、大丈夫かしら…)
二人は演技中、あまり目立たないように時々視線を客席の方に向けていた。
アニエスが言った通りなら、今頃アンリエッタは客席にいる。そして自分と同じように客席で構えている裏切り者をその目で確かめようとしているはずだ。当然銃士隊のメンバーが客に変装して彼女の周りを警護しているし、アニエスからこのことを聞いたルイズたち魔法学院の生徒及びUFZのメンバーたちも構えているが、万が一のこともある。
(アニエスさんからの話だと、銃士隊の他にももう一人、俺たちの知っている奴が護衛に着いてるって聞いてるけど…)
そう思うとそわそわしてしまうが、今は演劇の途中だ。あまり不自然な動きをと
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