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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜才媛の交渉〜
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推測を口にした。
「確かに言われてみればそうだな…………――――だが、何も忠誠の証の為だけに俺に嫁ぐ訳ではないだろう?大方、皇帝である俺に嫁ぎ、クロスベル皇家との縁を作る事で地に墜ちたカイエン公爵家の立場を建て直し、あわよくば俺との間に産まれて来た子をクロスベル皇帝の跡継ぎにすると言った所か?」
「そのような畏れ多い事は考えておりません。私は野望に満ちていた父や父の野望に賛同した兄とは違います。かつて”四大名門”の一角であり、古き伝統を誇っていた”カイエン公爵家”が貴族として存続できればそれだけで満足です。」
不敵な笑みを浮かべて問いかけて来たヴァイスの推測に対し、ユーディットは静かな表情で答え
「私の身体はヴァイスハイト陛下の思うがままにして頂いて構いません。ですがその代わり妹には……キュアには手を出さないで下さい……!そしてどうか母の命を助けてください……!お願いします……!」
身体を震わせつつも決意の表情でヴァイスを見つめ、頭を深く下げた。
「どうしますか、ヴァイス?」
「そうだな………………リフィア殿下、カイエン公爵夫人の助命やカイエン公爵家の長女が俺に嫁ぐ事でカイエン公爵家が貴族として存続できる事についてメンフィルはどう思う?」
アルに問いかけられたヴァイスは考え込んだ後リフィアに視線を向けた。
「特に異論はない。カイエン公自身の助命ならばさすがに反対するが公爵夫人ならば別に構わんし、内戦に反対し、私財をなげうってまで民達に支援物資を送っていた姉妹に免じてカイエン公爵家が貴族として存続しても構わんと思っている上、そもそもラマール州はクロスベル帝国領。クロスベルの貴族達について口を挟む権利は余達メンフィルにはない。」
「そうか。…………―――ユーディット嬢、一つだけ質問がある。」
「何でしょうか。」
「”尊い血”を誇りにしている名門貴族の令嬢であるお前自身が成り上がりの皇にして侵略者でもある俺に身を捧げてまで残そうとするカイエン公爵家の務め―――”貴族の務め”は何だと思っている?」
「…………民の生活が平穏である事を保ち、民を守り続ける事……―――それが私達”貴族”が果たすべき”義務”――――”貴族の
義務
(
ノブレスオブリージュ
)
”だと思っています。」
「ほう?内戦を引き起こした愚かな父親とは大違いじゃの。」
「”鳶が鷹を生む”とはこの事でしょうね。」
ヴァイスの問いかけに対するユーディットの答えを聞いたリフィアとシグルーンは感心した様子でユーディットを見つめていた。
「…………ユーディット。真の貴族の気概を見せてくれた礼に俺が大切にしている言葉を教えてやる。」
「え…………」
「『皇族である自覚と誇りを持ち、誰よりも皇
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