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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
外伝〜才媛の交渉〜
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交渉をしたいと言っていた者はお前か?」

「!……はい。貴方がクロスベル皇帝の一人―――ヴァイスハイト・ツェリンダー陛下でしょうか?」

「そうだ。」

「貴方が…………自己紹介が遅れ、申し訳ありません。私の名はユーディット・カイエン。カイエン公爵家の長女です。…………リフィア皇女殿下。今更謝罪をしたところで許してもらえないでしょうが、父―――カイエン公爵の愚行を”カイエン公爵家”を代表して謝罪させて下さい。…………父の愚行を止められず、貴国まで巻き込んでしまい、誠に申し訳ございませんでした…………!」

自己紹介をしたユーディットはリフィアに視線を向けた後頭を深く下げて謝罪した。



「…………諜報部隊の報告ではお主は内戦に反対し、内戦が起こった後は妹と共に私財をなげうって内戦で苦しむ民達に支援物資を送っていたと聞いている。お主とお主の妹キュアは情状酌量の余地がある上”戦争回避条約”にも当てはまらない為、元々お主とキュア嬢の命を奪うつもりはなかったが……我が盟友たるヴァイスハイト皇帝に何の交渉をするつもりなのじゃ?」

ユーディットに謝罪されて少しの間目を伏せて黙り込んでいたリフィアはやがて目を見開いて静かな表情で問いかけた。

「私達”カイエン公爵家”が貴族として存続できるように……そして父と共にメンフィルに裁かれる立場である母の助命の為の交渉をしたく、ヴァイスハイト陛下に申し出ました。」

「……なるほど。メンフィルと同盟を結んでいる皇帝の要請なら、さすがのメンフィルも考え直すと判断したのですか。」

「母君の助命の為と仰いましたが、父君であるカイエン公自身の助命はしないのですか?」

ユーディットの説明を聞いたアルは納得し、ある事が気になったシグルーンは真剣な表情で尋ねた。



「……はい。エレボニア皇家である”アルノール家”に対して反旗を翻し、更には内戦を引き起こした元凶の一人である父は内戦によって苦しみ続けたエレボニアの民達や内戦に巻き込んだメンフィル帝国に対する”償い”をする必要がありますので、父の助命をするつもりは一切ありません。」

「……俺に交渉したいという理由は理解した。では聞くが俺がお前の交渉に応じた所で、クロスベルに何のメリットがある。」

話を戻したヴァイスは真剣な表情でユーディットに問いかけた。

「……カイエン公爵家が全ての元凶でありながら私と私の妹キュアは畏れ多くもラマールの民達から慕われています。私達自身、新たな祖国となるクロスベル帝国に忠誠を誓い、クロスベル帝国やクロスベル皇家の方々のお役に立つ為に働く所存であります。」

「―――なるほど。ラマールの民達に慕われているお前達自身が俺達に忠誠を誓えば、ラマールの民達もそうだがラマール州の統括領主であっ
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