暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
5話
[10/10]

[8]前話 [9] 最初 [2]次話
超えるらしい。僕はまだその半分もやれていない。無策で正面対決を挑んでも勝ち目なんてゼロだろう。
 だけど、今回は勝敗はそこまで重要視していない。それは2の次だ。
 勝負の熱を、怖さを、必死さを、ただそれを正しく理解してもらうために戦うだけだ。
 あとついでに、この人はちょっと誤解をしている。

 「だけどたっちゃん先輩。確かに絶望的な戦いだと全員が見るでしょう。10割僕の負けだと、ね。でも僕はそこまで絶望的な戦いだとは思っていませんよ?」
 
 多分、このとき僕はニヤリ、という擬音が似合う笑顔をしていたと思う。
 ポカンとした顔になるたっちゃん先輩。
 練習中に気づいたことがあった。
 それは勝敗を分けるほどの重要なものであった。

 結局のところ、あのビット『ブルーティアーズ』を攻略しなければ僕に勝算なんてあるわけがない。
 なんせ360度全方位から攻撃されるのだ。僕は自分の目の前に映る情報を信じれるから正面からの攻撃は回避できるが、ハイパーセンサーに表示される、自分の視界で直接捉えたわけじゃない情報を100%信じることがまだできない。故に僕は死角からの攻撃を避けることなんてできないし、防御も出来ないだろう。
 ハイパーセンサーを信じることがまだできない以上、自分の視界に映る正面はともかく死角からの攻撃を避けることなんてまず不可能なのだ。
 そこで僕は閃いた。

 全方位攻撃の内、正面からしか対応できないなら『正面からしか攻撃が飛んでこない状況を作ればいい』と。

 その方法を今回に限ってはできるので容赦なく使わせてもらおう。

 そしてオルコットさん、あなたにとってはこれはただの『弱い男に、女の強さを見せつけるショーのようなもの』と思っているなら。
 
 あなた自身が気づいているかは定かじゃないが……もし、自分の『弱点』を理解できていないのであれば、

 ―――勝負の怖さをその身で味わうことになり、そして、『鬼』のような執念で勝利をもぎ取られることになるだろう。

[8]前話 [9] 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ