5話
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一緒にすればいい。
つまり、『IS学園は僕と一夏さんを一緒に住まわせるわけにはいかなかった』……?
ゾクリとした寒気が背中に走る。
そこでカチリ、と音を立てて何かがハマる。
待て、待て、なんでIS学園最強が一緒の部屋になった。
こうとは考えられないか?
『IS学園も安全じゃないから実力のある人が側にいる必要がある』
その瞬間、僕の全身から血の気が引いた。
「ごめんね、待たせちゃって」
その声にビクッと身体が反応する。
恐る恐る視線を自分の膝から正面に向ける。
そこにはIS学園の制服に身を包んだ更識生徒会長の姿があった。
―――――――――
「……やっぱり、そうですか。僕の護衛で」
「そう、キミは理解が早いね。おねーさん助かるわ」
やはり、考えていた通りだった。僕は以前から寮の入ることは決まっていたが、一夏さんの安全が問題になった時、僕自身の安全も危惧されたらしい。政府から相当な突き上げを食らったらしく、それに対してIS学園側も断りきれず今回の対応になったらしい。
更識生徒会長と僕はやや距離を開けて同じソファーに座っていた。
僕たちの手の中には更識生徒会長が淹れてくれたコーヒーがある。
「ってことは、一夏さんも?」
「一夏くんは箒ちゃんと一緒なんだけど、あの2人の周辺にも数人の教員が交代でついてるわ」
一夏さんの相部屋の人は篠ノ之さんだった。
2人とも、この世界で超がつくほど有名人の身内であるためか僕よりも厳重な護衛が付いているらしい。
一夏さんは最強ブリュンヒルデ 織斑 千冬の弟であり、篠ノ之さんはISを生み出した篠ノ之 束の妹。倫理的な部分よりも身の安全が優先された。そして護衛も1人多い分必然的に大掛かりな人数で取り掛かることになった。
僕は理解していた気になっていたかもしれない。
2人しかいない男性操縦者の価値を。
IS学園どころか世界中で見ても、ISの優秀な操縦者はどこにいっても引く手数多だ。専用機持ちに至っては女性の中で最大級のステータスだ。
世界の大国でも選りすぐりの人間しか乗れないIS。そこで更にその人だけの専用機など、どれだけの価値があるのか。国の最大の技術力と莫大な資金で生み出された、国家の旗印だ。多少実力がある程度で獲得できるものではない。
国家代表クラス、もしくはそれに準ずる存在でなければ得ることのできない専用機。それを女性の優位性を崩しかねない男性操縦者が乗っているのだ。反感どころか、殺意を抱いても仕方ない。特に僕のような存在だとなおさらだ。
一夏さんはブリュンヒルデの弟だからIS乗れるという俗説がある。だが俗説と言えどもそれは人を納得させるだけ
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