機動戦艦ナデシコ
1342話
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はそこまで詳しく見る奴がそう多くないって事なんだよな。
良くも悪くも一般人というのは感情に突き動かされる。
それ故に、一度木星蜥蜴=シャドウミラーと認識してしまえば、そう簡単には意見を翻さない。
好意的というのは、その辺の事をきちんと理解している人が多い……といいなぁ、と思っている。
実際にはネルガルの関係者とか、そういう層な可能性が高いが。
で、中立というのはまだよく分からないからもう暫くは様子見をしてみようという層。
「ま、時間が立てば中立の層の大部分が好意的な層に流れるだろうけど」
「うん? どうかしたのか?」
俺の呟きに、部屋の中で何かの雑誌を読んでいたスレイが尋ねてくる。
それに何でもないと首を横に振ると、また雑誌へと戻っていく。
「そんなに面白い雑誌なのか?」
「面白いというか、興味深いという方が正しいな。ナデシコ世界の歴史についてだ」
「……また、随分と堅そうな雑誌を」
てっきりファッション雑誌とかを読んでいるのかと思ってたんだが。
俺が言うのも何だけど、元々スレイは自分が着る服とかにはそれ程凝っていたりはしなかった。
それが俺と暮らすようになり、マリューとかシェリルとか美砂といった面々に付き合わされてホワイトスターや色々な世界で服を買うようになったりもして、お洒落に目覚めたんだよな。
なので、てっきりファッション雑誌でも見ているのかと思ったんだが。
「堅いと言う程に堅い訳ではないさ」
「……例えばどんな風にだ?」
堅くない歴史雑誌という事で少し興味を覚え、スレイへと尋ねる。
「そうだな、100年前に月で行われた独立運動について書かれているな」
「月の独立運動か。それは俺も前に図書館で見た覚えがあるな」
「この記事によると、月の独立運動には何者かが裏で操っていたというのがある」
「それはまぁ、そんなに大きな騒ぎになったんだったら、誰かが独立派を率いていたりしたんじゃないか?」
「そうではなくて、地球にいる一部の人間が月をこれまで以上の支配下に置きたくて行った……という事らしい」
「陰謀論か」
「それに近いものがある。ただ、ここからが面白い。その月を完全に支配下に置きたかったという理由が、月の地下に埋まっている古代文明の遺跡を欲したからという事だ。……どうだ、少し気にならないか?」
「古代文明、か」
古代火星文明の存在を知った今では、それを完全に否定する事は出来ない。
もしかしてネルガルがその月の独立運動に関わってたりしないだろうな?
現在ネルガルの会長であるアカツキはともかくとして、その父親はかなり評判が悪かったという話だ。
100年前となると、アカツキの父親が関わっている可能性は恐らくないだろうが、アカツキの祖父、曾祖
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