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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第174話
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「ギュランドロス殿の正妃はルイーネ殿です。」
「ルイーネって言うとあの時お前さん達と現れた……」
「”微笑みの剣妃”ね。」
「まあ、そうなりますわよね。お父様の正室はどなたですか?やはりリセル様でしょうか?」
リ・アネスの話を聞いたトヴァルは目を丸くし、サラ教官は嫌そうな表情で呟き、メサイアは納得した様子で頷いた後マルギレッタを見つめて尋ねた。
「いいえ。リセル様とエルミナ様よ。」
「ええっ!?せ、正室が二人もいるんですか!?」
「フッ、その程度で驚く事か?リィンの場合は下手をすれば全員正妻にしなければならない状況だぞ?」
「う”っ……」
マルギレッタの話に驚いているアリサに静かな笑みを浮かべて指摘したユーシスの言葉を聞いたリィンは冷や汗をかいて唸り声をあげ
「ア、アハハ……でもリセル様はわかりますけど、エルミナ様はかなり意外ですわね……あの方は他の妾の方達と違って隷属の身であったにも関わらずお父様やメルキアに従う事を良しとせず強情を貫き続けた方で、完全にお父様に従属したのは自身の子供を孕まされた時でしたし……」
ユーシスの指摘に苦笑していたメサイアは意外そうな表情で呟いた。
「メサイア様の世界のエルミナ殿がどのような方だったのかはわかりませんが、エルミナ殿がヴァイス殿に対して強情だったのは私達の時も同じでしたね。エルミナ殿がヴァイス殿に心を開いた”方法”も普通なら考えられない方法だったとの事でしたし……」
「ア、アハハ……た、確かにそんな事もあったわね。―――さてと。数々の”試練”を乗り越えて私の元に来た皆様の目的はわかっています。――――私にクロスベル皇族の一員であるメサイアとリィンさんの婚約を正式に認めてもらう為ですよね?」
リ・アネスと共にかつての出来事を思い出して苦笑していたマルギレッタは気を取り直してリィン達を見つめた。
「―――はい。」
「お母様、私達の最初の”試練”の相手―――リーシャ様から”試練”を乗り越える事ができれば私達の望みに応じると話を聞いていますが……」
「ええ。クロスベル皇帝ヴァイスハイト・ツェリンダーの側室の一人―――マルギレッタ・シリオスの名において我が娘メサイア・シリオスとリィン・シュバルツァーの婚約を正式に認めます。なお、ヴァイスハイト陛下からも”試練”を乗り越える事ができた際は二人の婚約を正式に認めると伝えられています。」
「え……ヴァイスハイト陛下が本当にそのような事を?」
マルギレッタの言葉を聞いたリィンは目を丸くして尋ね
「はい。それとヴァイス様から伝言がありますわ。」
「伝言だと?」
リィンの質問に答えた後話を続けたマルギレッタの言葉にユーシスは眉を顰めた。
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