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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第174話
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う、ティオちゃんったら……」
「ここで完全に説明を放棄するとか、さすがはティオすけだな。―――そんじゃあ、俺達もロイド達の後を追うか。」
エリィは呆れた表情で溜息を吐き、ランディは苦笑した後提案した。
「そうですね。」
「ええ。―――それじゃあ私達はこれで失礼するわ。そちらも頑張って。」
「気絶したアリオスのオッサンは俺が運んでおくぜ。」
そしてランディはトヴァルが背負っているアリオスを回収した後エリィ達と共に病院の中へと入って行った。
「行ってしまわれましたね……そう言えば兄様。先程のお話ではセシル様は”第一側室”との事ですが、リウイ陛下の側室の中で序列が一位の方はセシル様を除いていらっしゃらなかったのですか?」
「いや……以前はいたけど、その方は人間だったから寿命で随分前に崩御されている。……ちなみにその方はティア神官長の産みの母親に当たる方だ。」
「何だと!?」
「……ちょっと待って。さっきのナースの女性の名前に”癒しの聖女”の家名―――”パリエ”があったわよね?もしかしてそれと何か関係があるのかしら?」
エリスの疑問に答えたリィンの話を聞いたユーシスは驚き、サラ教官は真剣な表情で尋ねた。
「それはさすがにわかりません。―――ただセシル様はティア神官長にとって義母に当たる方で、ティア神官長もセシル様を自身の義母として認めている事は確かな事実です。」
「え……ティ、ティア神官長のですか?」
リィンの話を聞いたエリスは戸惑いの表情をした。
「色々と気になるが………今は関係のない事に時間を取っている暇はないぞ。」
「そうね。――――行くわよ。」
「はい。」
その後リィン達は病院の受付でマルギレッタがいる場所を聞き、屋上のベンチでリ・アネスと共に休憩しているマルギレッタを見つけて声をかけた。
「お母様!」
「この声は……!」
「メサイア。それにリィンさん達も……フフッ、どうやらヴァイス様の”試練”を無事に全て乗り越えたようですね。」
メサイアの声を聞いたリ・アネスが驚いている中、マルギレッタは自分達に近づいてきたリィン達に微笑んだ。
「……お久しぶりです、マルギレッタさ―――いえ、マルギレッタ様とお呼びするべきでしょうか。」
「まだ私を含めたヴァイス様の側室の方達は正式に側室として発表されていませんから、”さん”付けで構いませんし、いずれは”家族”の関係になりますからそんな固い呼び方をしなくても構いませんよ。」
「ちなみにクロスベル両皇帝の正室は誰になるんだ?」
リィンの言葉に苦笑しながら答えたマルギレッタの話を聞き、ある事が気になったユーシスは真剣な表情で尋ねた。
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