雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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は、はあ!?」
意味が分からないと声を上げるサイト。しかし、ハルナもルイズに続いて一歩前に出る。
「平賀君、はっきり言って。ミシェルさんのこと、どう思ってるの?」
「え?どうって…なんで二人がそれを気にしてるんだよ?」
さらに意味が分からない。なぜ二人までもがこうもミシェルのことを気にしているのだ?
キュルケはなにかを期待しているような荷や突いた顔を浮かべているし、ギーシュ・マリコルヌはどこか羨ましそうに、タバサは相変わらず我冠せずといった様子。レイナールとモンモランシーにいたってはやれやれ、と呆れた様子を見せている。
「さあ、サイト。答えてちょうだ…」
ルイズがさらに詰め寄って返答を求めたとき、アニエスが彼らの間に割って入って口を挟んできた。
「お前たち、無駄話はそこまでにしてくれ」
「何よアニエス。今から私たちは姫様を探さないと…」
そう、これから唯一ジャンバードを扱えるサイトの力を借りて、黒いウルトラマンに攫われたアンリエッタを探さなければならない。ルイズがアニエスの言葉を遮ろうとする。
「安心しろ。陛下はご無事だ」
「…え?」
即効で思わぬ発言を聞いたルイズは、思わず間の抜けた声を漏らした。
「今から今回の事情と、お前たちに陛下からの…真の初任務についての説明を行う。ここではまずい。劇場へ行く…」
とアニエスが言ったそのときだった。
「ッ!危ない!」
タバサが声を上げた。彼らの頭上から突然、窓ガラスが落ちてきた。すぐに杖を構えて吹き飛ばそうとするも、あまりに突然すぎて間に合わない。
「!」
咄嗟に二人を腕の中に抱えたサイトはすぐに後ろへ飛び退くも、雨脚でうまく着地できず、三人揃って地面に溜め込まれた水をかぶってしまう。アニエスの方は何事もなく落ちてきたガラスを避けた。
「大丈夫か!?」
ギーシュがサイトたちの安否を問いながら駆けつける。
「マリコルヌ、今誰かいなかったか?」
「み、見えなかったよ…」
もしや、誰かが狙ってきたのか?レイナールは頭上を見上げ、窓ガラスを落としてきた犯人を捜しながらマリコリヌに問う。しかしマリコルヌも犯人らしき人物の姿を目撃できなかった。
「危なかったわね…ウェザリーの発声練習の甲斐があったんじゃない?」
「……自分でも驚いた」
キュルケがほっとしながらタバサを見る。タバサはいつも通りリアクションが薄めだったが、自分でも驚くくらい大きめの声が久方ぶりに出せたことに戸惑いを覚えたほどだ。これもキュルケの言うとおり、ウェザリーの指導のおかげかもしれない。
「う…」
サイトが起き上った時、ハルナの口からうめき声が漏れる。
「ハルナ!?」
サイトはすぐハルナの姿を見る。雨水まみれなのは仕方ないが、彼女の足もとから血が流れおちている。転んだ拍子に、ガラスで足を切っ
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