雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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「護衛?」
護衛を引き連れているなら安心できるが、サイトはその護衛のことが気になった。さっきアニエスは、アンリエッタが貴族に信頼するものが少ないといっていたじゃないか。大丈夫なのかその辺りが不安である。
「それも問題は無い。お前も一度は会ったことがあるはずだ」
それも姫様がちゃんと信頼を置いていて、俺が知っている奴?そんな人間がいただろうか?
「さて、それはそうと、お前はミシェルに会いたがっていたな。何か用でもあるのか?」
「…はい。理由は詳しくはいえませんけど、俺、どうしてもミシェルさんに会わないといけないんです。絶対に」
アニエスははっきりと言ってのけたサイトの眼を見る。銃士隊の隊長に任命される以前の頃から培ってきた洞察眼から、相手が何を考えているかをある程度は察することができた。
「どのような理由で会いたがっているかは分からんが、彼女もいずれ尻尾を掴むことができる」
「ど、どういうことです?」
それは、ミシェルにいずれ会うことができるということを意味しているのか?
「ミシェルは、これから我々が捕まえる相手を崇拝しているからな。奴を守るために、彼女もまた劇場で変装して奴の傍に控えている可能性が高い」
「劇場…」
思えば、まさか自分たちが今夜公演を行うことになっている場所で、今回のアンリエッタの敵と戦うことになるのか。
「しかし、ミシェルからの報告で聞いたとはいえ、情報を集めるために劇場での世話になっているとはな。最初は一言私から何をしているんだと叱り飛ばすところだったが…まぁ、敵の動きもその場所にあるし、陛下が命じられた任務をお前たちなりに果たそうとしている心がけに免じて、今回は不問にしておこう」
「す、すみません…」
サイトは申し訳ない気持ちからアニエスに謝るが、彼もまたちょうどいいと思った。アニエスの言っていることが事実なら、ミシェルも自分の主を守るために劇場を訪れる可能性が高い。だとしたら…そこでウルトラゼロアイが取り返せるか、最低でも居所をつかめるチャンスをつかめるかもしれない。
(けど、信じたくなかったな…)
一方で、今回の裏切者の味方に、ミシェルが加わっていることが今でも嘘だったら…と思っていた。一度は共に戦った人だし、あの人なりに国を思って剣をふるっていた。そんな人がまさか…レコンキスタと内通している売国奴の部下だったなんて。
と、そのときだった。
「サイト、そこにいたのね!」
聞き覚えのある声。思わず身をこわばらせながらもサイトは振り返る。そこには、ルイズたち魔法学院の仲間たち全員がいた。
「はあい、ダーリン♪」
「ルイズに…みんなまで!なんでここに!?」
サイトの問いには答えようともせず、
「あんた…今夜が公演当日だってのに、よくもまぁこんなところで女の尻を追っかけられるわね!」
「
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