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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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わがままにお付き合いさせてもらうことになってしまって…」
安い木賃宿の一室にあるベッドに腰掛けていた。だが一人だけではない、フードを被った少し小柄の少年が傍においてある椅子に座り込んでいた。
「何言ってんだよ。俺は政治には興味もねぇし詳しくもねぇが、今回の一件はあんた一人のわがままで済む話とは言えねぇだろ。なんたって、裏切り者を成敗しなけりゃならねぇんだからな」
女王相手に、かなり軽い口調である。その素顔は暖炉の火の光からもフードで隠れて見えないが、アンリエッタが強く信頼を置いていることが伺える。。
「…えぇ、今回のきつねはかなり狡猾ですから。でも、レコンキスタはチュレンヌに怪獣を密売して内部から我が国を崩壊させ居ようとしていました。ここしばらく、トリステイン貴族の汚職が明るみとなっている以上、例のきつねももしかしたら…」
「それを考えたから、俺も呼びつけたって訳だな?」
「はい、お力を貸してくれますね?」
「…当然だぜ。俺も、連中の小ずるいやり口には頭にきてんだ」
フードの人物も、迷うことなく頷いた。
「…にしてもよ、その格好寒くねぇか?」
ふと、彼はアンリエッタの格好を指差して指摘を入れる。今のアンリエッタの格好、いつものドレス姿ではまずいので変装することになった。しかしその格好が…思った以上にきわどい。後ろ紙をポニーテールに結っている、化粧はやや濃いめにしたまではいいが問題は服装だった。シャツが本人の体のサイズに合わず、豊満な胸による谷間がくっきり見えてしまっている。
「ちょっと恥ずかしいですが仕方ありませんわ。平民のふりをして身を隠さねば成りませんから」
すると、ガタガタ、と扉のドアノブが動き出す。
「あけろ!非常時ゆえ、無理やりにでもこじ開けるぞ!」
アンリエッタ捜索に当たっていた兵たちの声だ。部屋には内側から鍵をかけていたのですぐに開けられなかったが、いずれ乱暴にでも開けてくるに違いない。いくら味方でも、ここで姿を見られてしまっては女王としての面目もそうだが、作戦が台無しになる。
「そろそろ時間ですわね。警邏の兵が来たようですわ」
アンリエッタは雨具用のフードを被って素顔を隠した。
「んじゃ、逃走劇の再開だな。誘拐犯らしくな」
「汚名を着せてしまっているというのに、どこか楽しそうですわね」
「そうか?ま、そう見えるならそうだろうな。なんたって俺は…」
それから数秒後のことだった。兵たちによって扉はこじ開けられた。しかし、そこには誰もおらず、開けっ放しの窓がさらされているだけだった。
「くそ、やはりここに…急いで後を追うぞ!まだ近くに居るはずだ!」



同時刻、サイトは、人目のつきにくい裏路地にてアニエスから事の事情を説明されていた。
「女王陛下は、レコンキスタに媚を売る裏切り者の貴族を特定する
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