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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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ン高等法院長』はひざまづいているミシェルに対して怒鳴り散らす。かなりいきり立っていることが伺える。
「…ミシェル、貴様今回の作戦は忘れてはおるまいな?」
「…ウルトラマンの変身に利用する道具を奪い、奴が変身できないところで閣下が本日レコンキスタより買い取る予定となっている怪獣街で暴れさせ、その隙に私が女王陛下を誘拐、陛下の身柄とウルトラマンから奪った特殊な眼鏡を連中に売る…です」
そして女王が失踪した状況下にて、その金でトリステインをリッシュモンが自らの名において再建して国内の信頼を獲得する。後はマザリーニ枢機卿、アンリエッタの母であるマリアンヌ大公…他にもわずかに女王の味方で居る貴族や、自分を快く思わない政敵といった邪魔者を排除することで、リッシュモンはトリステインの新たな支配者となる。それがリッシュモンの作戦なのだ。
「その通りだ。だがこれにはアンリエッタを貴様の手で誘拐する必要がある。しかし、銃士隊の副長として貴様をもぐりこませた貴様がその役目を全うできないとは…まさか、気取られたのではあるまいな」
「そ、そのようなことはありません!私は閣下のご命令どおり、女王の臣下たちに怪しまれぬよう銃士隊の副隊長としての任務を全うし続けておりました」
「ならばなぜ、貴様より先に黒い巨人が女王を浚ったのだ!」
まさに八つ当たり。そんなことを言われても、予測できなかったミシェルには言い返す言葉がなにもない。そもそも自分でもこんな事態が起こるとは予想もしなかったのだから。
リッシュモンは焦った。自分の脚本にはない展開が起きたのだから。だが、これ以上ミシェルに当たり続けたところで、軌道修正することもできなくなる。
「…まぁよい」
リッシュモンは杖を振ると、一本のペンが彼の手元に飛んでくる。それをとった彼は一枚の紙に、戒厳令の許可を記した。
「ミシェル、街道の封鎖許可を与える。その間にアンリエッタを見つけ出し身柄を確保せよ。その後はわしの護衛として例の場所へ先行し、待機せよ。
よいか、このトリステインを新たに生まれ変わらせるための大儀ある作戦だ。今度こそ失敗するでない」
「はっ」
戒厳令の許可証を手に取ったミシェルは頷く。
この人の前で失態を犯すことはできない。ミシェルは直ちに大食堂から、そしてリッシュモンの屋敷から雨夜の街へ飛び出していった。
(おのれ…誰にも邪魔はさせんぞ。わしはこの国を手に入れて見せる。どんな手を使ってでもな…!)
雨に濡れた窓ガラス越しに街を見るリッシュモンは苦々しげに歯噛みする。自分もそろそろ動かなくてはならない。
自分も例の場所へ急ぐとしよう。
そう思ったとき、リッシュモンの顔が、窓ガラスから入り込んだ雷の光によって照らされた。


その頃…姿をくらましたアンリエッタはというと…。
「すみません、私の
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