雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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?」
「何だ貴様ら、我々は小娘などに構っている場合ではない」
まだ10代半ばのルイズたちは、兵たちにとって無関係な子供程度の認識でしかない。追い払うようにその兵は言うが、ルイズは懐よりアンリエッタからもらっていた、女官としてのお墨付きの証明証を見せ付けた。
「これを見てもそんなことが言えるの?」
「こ、これは陛下の…し、失礼致しました!」
「いいわ。とにかく私たち全員に話して頂戴。心配しなくても、彼らは全員陛下からのご信頼を得ているわ」
「で、では…」
その兵は気を落ち着かせながら、ルイズたちに事の事態を説明した。
どうやらアンリエッタが『シャン・ド・マルス錬兵場』の視察を終えた後、王宮に戻る際に姿を消してしまったのだという。しかもその犯人は…。
「目撃者によると、以前にも現れた黒いウルトラマンだといわれています」
「なんですって!?」
それを聞いてルイズはぎょっとする。そんな危険な奴にアンリエッタが浚われてしまったというのか。
「どうして陛下を黒い巨人が浚うんだよ!?」
マリコルヌは訳が分からないと声を荒げると、レイナールが一つの予測を立てる。
「さあね。こっちが聞きたいさ。でも、もし理由があるとすれば…このトリステインのトップであるあの方を浚うことで、僕たちトリステインの動きを悪い方向に傾かせるつもりかもしれない。」
「そんなことをして、黒いウルトラマンに何のメリットがあるの?」
あれだけの人間相手なら絶対的ともいえる力を持つ巨人が、どうして女王を浚う必要があるというのだろうか。キュルケからの問いに、レイナールは引き続き説明する。
「黒い巨人は以前タルブの戦いで、レコンキスタが使役する怪獣とともにトリステイン軍に危害を加えたことがある。そう考えると、女王陛下を浚う理由も納得がいく」
「ッ…!」
ルイズは、かつて亡霊と化したウェールズと、二人目の黒い巨人であるメンヌヴィルによるアンリエッタ誘拐事件の悪夢を思い出す。トリステイン貴族としてもそうだが、性懲りもなく敬愛する幼馴染を浚ったのだ。許しておくわけにいかない。
「じゃあ最後の質問よ。そのときの警護を勤めていたのは誰?」
初めて見たときから知っている。あの時は惚れ薬を飲んでしまって記憶が曖昧だったが、確かファウストは変身する前は黒いローブの少女だったはずだ。もしかしたらアンリエッタの警護を勤める兵に紛れていたのでは?と考えた。
「分かりません。ただ、新顔のようでした」
「新顔?どんな姿をしていたの?」
「確か、少年だったはずです。灰色の髪で褐色肌の」
少年?少女ではないのか。となると、警護の兵の中にファウストはいなかったことになる。
しかし、灰色の髪で褐色肌…どこかで聞いたことがあるような…。
「…わかったわ。教えてくれたありがとう」
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