雨夜-レイニーナイト-part3/狐狩り
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しようとするのなら、魔法が使われた痕があの場に残っていたはず。そう言ったものがなかったことから、ミシェルは盗む程度で済ませたのだ。
「とにかく、ミシェルさんを見つけるんだ。それでなくても、アニエスさんに話を聞けばいい。ミシェルさんが今どこで何をしているのか知っているはずだ」
サイトはすぐデルフを背負いなおすと、すぐに町へ繰り出した。
銃士隊の詰め所は城にある。サイトは早速城門前にたどり着くと、そこでまさにグッドタイミングとも思える顔を見た。アニエスだ。
「アニエスさん!」
「サイト?お前、なぜここにいるのだ」
サイトが突然現れたことにアニエスは懐疑的な視線を向けるが、サイトは構わずアニエスの下に駆け寄って、ミシェルのことをたずねることにした。
「あの、ミシェルさんを見ませんでしたか?」
「……」
ミシェルの名前を聞いて、アニエスは表情を曇らせる。それを見てサイトは、もしや…と思った。
「いないん…ですか?」
「…その様子だと、サイト。お前も感づいていたとはな」
やはりというべきか、既に彼女も、自分の片腕が失踪したことを察していた。
「ただ、さきほどまではここにいたぞ」
「え!?」
意外だった。実は、ミシェルはまだ銃士隊の副長の座に就いていたのだ。そしてアニエスときっかり会っていた。
すると、城の方から兵たちが十人ほど飛び出し、騒ぎ出していた。
「陛下はどこだ!?」
なんだか戦の直前の状況であるかのような騒ぎだ。
「何かあったんですか!?」
今、陛下はどこだと兵たちが喚いているのを、サイトは聞き逃さなかった。隠すことはできないだろう。そう思ったアニエスはサイトに言った。
「…ここで話すのは不味い。サイト、着いて来い」
「え、あの…ちょっと…!?」
アニエスは詳しいことをサイトに放すため、彼を引っ張りだした。
それを、密かに追っていたルイズとハルナが見ていた。ばれないように、そしてこの日の雲行きが怪しかったこともあり、頭から雨除けのフードをすっぽり被っていた。
舞台開幕直前になって、急に外に出るサイトを怪しんだために、追わずに入られなかった。
「平賀君……」
なぜミシェルのことをそんなに気にするのか。本当にハルナが予想していた通り、ミシェルを一人の女性として意識してしまっているとでもいうのか。しかしそのとき、サイトがアニエスに引っ張られたのを見る。
「あ、あいつ…!」
アニエスがどうしてサイトを引っ張るのだ。ミシェルでもなく、今度はアニエスなのか!?
「もう〜サイトの奴、最近見境がなさ過ぎるんじゃないの!ハルナ、追うわよ!」
「は、はい!」
頭に血が上り、もはや覆しようががないと判断した二人は、引き続きサイトたちを追いかけようとする。
「ちょっと待ちなさい」
しかしそのとき、ルイズた
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