暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part2/悲劇の前夜
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を意図せずとはいえ危うく暴露して、想い人であるサイトの前で恥をかかせてしまうかもしれなかったことを気にしたルイズは内緒にすることにした。どうやら内緒にしてもらえることになって、ハルナはほっとした。実際はルイズより(あくまで語り手の予測だが)ちょっと大きい程度のサイズなのに、上げ底で盛っていたなんて知られたら、きっと巨乳好きのサイトはがっかりするに違いないだろうと、彼女は思っていた。
「一度は止めようって思ったんだけど、高校に通って平賀君と会って、彼が胸の大きな子が好みだって知ってから…」
そうしたら、いつの間にかシエスタとアンリエッタの中間くらいのバストサイズになったという。サイトの気を引くために、彼女なりに気苦労が耐えなかったのかもしれない。
「そうよね…あいつってば気が付いたら大きな胸にばかり視線が泳いでるもの。知らない振りしているようでバレバレよ」
まったく、あの馬鹿犬はとことん馬鹿なものだ、とルイズは思う。女の子の気持ちを分かろうとしないから、ハルナはこんなものを付け続ける羽目になったに違いない。…最も、ルイズも男心を逆に知ろうともしないタチなので、今のところどっちもどっちな気がしてならない。
ルイズは改めてハルナが着けていたパッドを見る。変な形だが…
「でも…す、すばらしいわ…」
思わずルイズは自分の感嘆な気持ちを口にした。試しに吹くの上から自分の胸に、服を試着するようにつけてみるルイズ。なんだか自分が一歩大人の女に地がづいたような優越感がそこにあった。
「私、今あなたとサイトの世界に初めて興味と尊敬を抱いたわ」
こんなしょうもないことで、地球への憧れを初めて抱いてしまったルイズなのであった。これを他の地球人たちが聞いていたら微妙な表情を浮かべていたことだろう。
「ハルナ。これを近い内に貴族御用達の服屋に見せに行くわよ!そして作らせるの!サイトの気を十分ひきつけるだけの胸を手に入れるのよ!」
「なるほど…その手がありましたか!さすがルイズさん!貴族の名は伊達じゃないですね!」
「ふふん、もっと褒めなさい!このトリステインの由緒正しきヴァリエール家の三女、ルイズを!!」
寧ろ突っ込みを入れるべきであるはずのハルナまでボケに回っている…そしておだてに弱いルイズはあっさりと調子に乗っている始末だ。もはやどこから突っ込めばいいのかも分からない。
気が付いたら、二人はずっと昔からの友達同士のように互いに笑いあっていた。
もうそこに、サイトをめぐるわだかまりがなくなった…そんなの風にも見えた。

しかし、二人は気づかなかった。

そのやり取りは、決して培われた絆から来るものではなく…ある存在の『人形劇』の一端に過ぎなかった…。



翌日、サイトは改めて劇場内や宿、町の道中…とにかく自分がいったことのある場所を辿り
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