雨夜-レイニーナイト-part2/悲劇の前夜
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トは早速ウェザリーのいる支配人室へ向かい、ウェザリーに尋ねる。
「ミシェル?先刻ここにきたあなたの知り合いね。あなたたちの様子を見にに戻ったわ。もう3時間も前よ」
すでにミシェルはここを後にしていたのか。しかも、3時間も前とは。ミシェルは自分が銃士隊の副隊長であることをウェザリーには話していないようだ。話していたら話したで、ウェザリーに妙な警戒心を抱かせたくなかったのかもしれない。
窓の外はすっかり夜の闇に覆われていた。
「あなた妙にいきり立っているわね。どうかしたの?」
ウェザリーも今のサイトの状態が普通には思えなかったことに気づきつつあった。
「いえ、ちょっと…あの人と話しておかないといけないことがあるんで…」
「今日のところはやめておきなさい。外はもう夜よ。あまりうろつきすぎると、街を警邏している兵に不審者扱いされてしまうわ」
サイトはそれを聞いて愕然とした。迂闊に外をうろつくことができないとは。
「ミス・ヴァリエールたちのことも無視できないでしょう?早く戻ってあげなさい」
「…わかりました」
ウルトラゼロアイのことが気になる。だが、ミシェルを追うことができないし、それ以前にルイズとハルナたちのことだって無視できない。
この日は、ひとまず二人を一度宿に戻ることにした。
「…ルイズさん、聞きました?」
「えぇ。聞いたわ。あの馬鹿犬ってば…今度はミシェルに靡くわけ?」
サイトが出てくる直前まで、扉の外ではサイトの様子を怪しく思ったルイズとハルナがいた。どうもこの二人、サイトがミシェルを異性として意識し始めていると勘繰っていたのだ。サイト本人からすれば完全に的の外れた濡れ衣なのだが。だが、『あの人と話をしなければならない』。サイトのその言葉が、二人の疑惑を絶対の物としてしまった。
「でも、平賀君いつからミシェルさんのことを気にし始めていたんでしょうか…?」
ハルナは、正直すごく落ち込んでいた。異世界につれてこられたために引き裂かれてしまったはずの想い人と奇跡的に再会を果たした。今度こそチャンスが訪れたのだと思っていたが…。
(やっぱり平賀君、こっちの世界の方に愛着が湧いたのかな…)
胸が締め付けられる。胸が苦しくて仕方がない。こんな思いをするくらいなら…いっそ…。頭の中が悪い方向に傾いてしまう。
「そんなのどうだっていいわ。サイトったら、一体何時になったら私をご主人様として敬うのかしら…」
ルイズはそう言うが、もちろんみんなも分かっていると思うが、単に自分以外の女に靡いているのが気に食わないだけなのが本音である。それにミシェルは、胸がキュルケに匹敵するくらいにスタイル抜群だ。ボヨン、と一度ゆれるたびに募っていく、『巨乳』への怒りと憎しみが湧いてくる。服の下が悲しいことに平原地帯であるルイズにとって『巨乳』とは
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