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ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
雨夜-レイニーナイト-part2/悲劇の前夜
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「ご主人様、任務完了しました」
その『彼』は、目の前でひざまづいている彼女からの報告を聞いて高笑いを浮かべていた。
「ふふ…あははは!!よくやったぞ!お前はやはり有能で頼れる娘だ!」
望んでいた結果を聞いて、『彼』は、ミシェルが手に入れた『例のもの』を見て、かなり満足そうだった。

それはなんと…

サイトが持っているはずの、ウルトラゼロアイだったのだ。
「どうやらウルトラマンは人間から裏切られるとは思いもしなかっただろう!他愛もない。これで仮にも正義の味方を名乗るなど片腹痛いわ!最も、あのような得体の知れぬ化け物を英雄視する馬鹿共の気が知れんがな」
その人物は、ウルトラマンに守られた立場でありながら、そんな彼らを嘲笑っていた。
「これでこのトリステインは安泰となるであろう。私の支配の下でな。ミシェル、お前にも働いてもらうぞ。この国を私の支配の下で、あるべき姿を永久のものとするためになぁ…」
「…はっ」
これでいい。これでよかったのだ…。言い聞かせるように、彼女は…『ミシェル』は自分の目の前の主への忠誠を固めようとした。
この人は私を拾ってくれた恩人なのだから。この人が求めることは、どんなことでもやるつもりだ。たとえ、どんな言葉で罵られようとも…私はこの人を裏切れないのだから。


しかし、ミシェルの思いは…それからほどない、ある夜を境に打ち砕かれることとなる…。




ウルトラゼロアイが、ない。
サイトとゼロは同時に、頭の中に稲妻が走ったような衝撃を受けた。自分たちがあらゆる脅威に立ち向かうために必要不可欠なアイテム、ウルトラゼロアイがなくなっていたのだ。
「相棒、どうした?んな鬼気迫るような顔してよ」
まだ荷物籠の中に置いてあったデルフが妙に緊迫感のあるサイトを見て尋ねてきたが、サイトは彼の声を無視し、すぐに背中担いで更衣室を後にする。
どこかに落としたのか?サイトはすぐにあちこちを探して回る。だが、客席・更衣室・トイレ・楽屋…あらゆる場所を探し回ったのだが、ウルトラゼロアイは見つからない。
「ちょっとサイト、何か落としたの?」
舞台の上で妙に周囲をキョロキョロして、真剣に何かを探し回っているサイトを見て、ルイズが話しかけてきた。
「え、あ…その……」
「何か落としたなら、私たちも手伝おうか?」
ルイズに同行していたハルナが手伝ってあげようと思ったが、サイトは首を横に振って断った。
「いや、いいんだ。大したもんじゃないから。先に戻っててくれ」
ウルトラゼロアイは自分の手で探し出さねばならない。あれを落としたのは自分の責任だし、あれを見つけられたら自分がウルトラマンであることばばれてしまう要因になりかねない。後者は少し理由としては弱いかもしれないが、何をきっかけにばれてしまうか分からないから
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