インデペンデンス
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な意外な所で繋がっていたんだね」
「俺としては非ッ常ォ〜に不本意だがな。あの女は俺達の命を弄んだのだから、それ相応の罰を受けてもらいたかったぜ」
「母さんは……ただ姉さんを蘇らせたかっただけ。家族との幸せな時間を取り戻したかっただけだよ。確かに母さんの研究は生命倫理に反してたけど、ちゃんと償ったんだから罪はもう許されているはず……」
「は? お前それ本気で言ってんのか? ……オイオイ、なんておめでたい奴らだ! 当事者でもない裁判官から与えられた条件を終えただけで、もう許された気になってんのか!? グェハッハッハッハ!!!!」
フェイトの返答を聞いたビーティーは唐突にゲラゲラと笑い声を上げ、千鳥足で傍に置いてあった建築資材の下へ行き……、
「――――ふざけるな」
―――建築資材を殴り飛ばした。怒りに任せて振るった拳の、あまりにぶっ飛んだ威力のせいで建築資材が粉々に砕け散る。それによってアーネスト達の所にも破片の一部が飛んできたが、なのはが0.3秒プロテクションで防いで事なきを得た。
「意識するようになってから急に早くなったね」とジャンゴが称賛し、「それでもまだ0.2秒遅いや……」となのはが謙遜する隣で、フェイトはビーティーの逆鱗に触れてしまったのではないかと戦々恐々とする。
「俺は……俺達は許してなどいない! あの女を決して許しはしない! あの女は母親の資格を自ら捨てた。お前だって一度は捨てられたのに、それでもあの女を母親と慕うとは、まさに道化だな。あの女は自分の幸せ以外はどうでもいい、究極の自分勝手自己中心的理想主義者だろうが!」
「で、でも母さんはアレクトロ社の……イモータル・ロキのせいで姉さんの命を理不尽に奪われたんだよ!? 家族を救いたいと思う事が、そんなにいけない事なの!?」
「あのなぁ、あの女の擁護も大概にしとけよ。あの女は己の脆さに怯え、外界という死の臭いで満ちた海原から逆走して、プロジェクトFATEを築いた。複製、贋作……全ては脆い心の生み出した、生ぬるい幻想の世界だ。貞操帯に縛られた修道女の妄念に等しい屑なのさ。生命倫理をぶち壊す研究、魂の輪廻に逆らう所業……その研究に手を出した動機が娘を救いたいからと言うなら、なぜ娘の断片から生み出された俺達を捨てた? 本当に罪を償う気があるのなら、なぜ変異体となった同族を目にするまで俺達の事を黙っていた?」
「そ、それは……」
「結局あの女はオリジナルと完全体しか受け入れていない、失敗作は所詮失敗作に過ぎないと思っているのさ。隠していれば目の前に転がる幸せを享受できるから、過去から迫る俺達の怨嗟の声に耳を塞いだ! 俺達を生み出した責任から逃げ出した! 俺達を無視して充実した余生を送るとか、全然贖罪できてないだろうが!」
「……! …
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