インデペンデンス
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ぇかっぽじってよく見ておけよ。自分から訊いた以上、決して目を逸らすんじゃねぇぞ」
これまで謎に包まれていたビーティーの正体や経歴に、皆の注目が集まる。誕生の所以は知っているなのは達も、肝心の部分をようやく聞けると思って意識を集中した。
いつもと異なる気迫で場を緊張させながら、徐にビーティーはこれまで一度も外さなかったマントの留め具を外し、隠していた首元を露わにする。そこにあった物を見た瞬間、フェイトは目を見開いて凄まじいショックを受けた。
「そ、そのチョーカーは……!」
“A-13”と刻まれた金属製のチョーカー。ビーティーの首元で砂漠の光を鈍く照り返してくるそれは、フェイトにとって2年前から決して忘れられない物体であった。ちなみに昔の身体でどうチョーカーを付けてたのかという疑問は、識別以外にも振動で脳髄が試験管に衝突しないために固定する器具として使われていたのが答えである。
「あなたは……母さんが廃棄処分した、試作クローンだったの!?」
「驚いたか? そりゃそうだよなぁ、お前がぶっ倒した同族の生き残りがすぐ目の前にいる。それも全身が機械で出来てるサイボーグで、お前はこれまで何も知らずにただの敵として戦ってきたんだしな」
「で、でも変異体になってた試作クローンは、私と姉さんがこの手で……!」
「そうだ、1から12の試作クローンはアンデッド化し、お前とオリジナルが2年前にその手でトドメを刺した。だがな、試作クローンは全部で13体いたんだよ。お前達が倒したのはアンデッド化した12人の同族であって、そうならなかった唯一の生き残りがこの俺なのさ。ククク……」
嘲笑するビーティーを前に、フェイトは言葉が出なかった。自分の同族がサイボーグとなって生きていたという事実を前にし、かつて変異体となった同族を倒した時の記憶も鮮明に蘇り、フェイトは氷水をかけられたように全身が一瞬震えた。
「なのはは……彼女の正体を知ってたの?」
「誤解のないように言っとくけど、私も正体までは知らなかった。最初マキナちゃんに紹介されて知り合った時、フェイトちゃんと顔立ちがなんか似てるとは内心で薄ら思ってた。それでこの前過去を一部聞いて、もしかしたらと思ったぐらいで、確信までは至っていない。だから今の発言は私にとって、腑に落ちた感じなんだ」
「そう……」
「実際、一昨日に知り合ったばかりだから、もう少し時間が経っていれば自力で気付いてたかもね」
意外と短期間だった事にフェイトは驚かされるが、おかげでなのはがビーティーの正体を見抜けなかった事をすんなり納得できた。改めてフェイトはビーティーに向き合い、率直に尋ねる。
「ビーティー、と言ったっけ。その名前は自分で付けたの?」
「いや、本名は識別ナンバー“A-13
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