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リリなのinボクらの太陽サーガ
インデペンデンス
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で帳簿の記入をしています。それと先日、マキナさんを運んできた彼女ですが、この時間は屋根の上で月光浴をしているはずです」

「あぁ、暗黒チャージ中なのね。彼女、暗黒転移を頻繁に使ってるみたいだから、ちゃんとチャージしないとエナジー切れになるんだっけか」

「つぅかアタシ達を助けてくれたとはいえ、いい加減名前くらい教えてくれても良いのにな。なんで教えてくれないんだろ?」

「返答。マキナの回復を待っていただけ」

「うわぁ!? い、いきなり転移してくるなよ!? 驚くだろうが!」

唐突に耳元で彼女の声が聞こえたため、アギトはたまらず鳥肌が立って後ずさる。若干ミステリアスな雰囲気を纏う彼女はその様子を見て口の端が僅かにつり上がり、アギトの反応を密かに面白がっていた。

とりあえず話の渦中である少女が現れた事で、マキナは佇まいを正して向き合った。

「え〜改めて、私達を助けてくれてありがとう。色々訊きたい事はあるけど……まず先にお礼が言いたかった」

「安堵。無事ならそれで良い」

「そっか。それで早速深い所を訊くけど……あなたがあの“黒き戦乙女”なら、サバタ様とどういう関わりがあるの? 加護とかそんなのが預言には書いてあったけど」

「宿主。私は彼の魂の断片……彼が消滅した事によって現世に具現化した対存在」

「対存在?」

「時が満ち、半覚醒状態となったアニマの器の導きによって、あの場に集った3人の少年少女、サバタ、ザジ、エレン。接続認証を受けてアニマを宿す者となった少女二人と、唯一無二の導く者アニムスとして認定された少年一人……彼らの心にあった女性像をアニマの器が結合し、サバタの魂の一部に組み込まれて構成されたのがこの私、ネピリム」

「え? ちょ……ちょっと待って。いきなりトンデモ情報が出過ぎて頭が混乱してる。え〜と、ん〜と……とりあえずアニマとかアニムスとかの意味不明な単語は置いといて、要するにサバタ様と同様の力が使えるのは、ある意味あの人の一部だったからってこと?」

「正解。私はサバタが生きた道のりを、ずっと眠りながら見ていた。だから彼の考えた事は私も知っているし、力の使い方も身体が習熟している。彼自身は知らなかったとはいえ、彼の経験は私を育ててくれた。その対価として、私は秘密裏に彼が受けた負担を肩代わりしていた事もある。例えば彼の身体に巣食っていた原種の欠片による浸食を抑制したり、寿命が近づくにつれて増えていく細胞崩壊を止めたりと……先程マキナが言った加護とは、つまりそういう事だと推測する」

「確かに末期のサバタ様は見た目では変化が無くても、中身は感覚が鈍くなったりして痛ましいぐらいボロボロだった。今思い返してみれば、あの身体であそこまで戦えていた事自体が奇跡に近い。……そっか、私達のよう
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