暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
インデペンデンス
[19/22]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


「一人じゃダメでも、二人でやれば次は通じるよ。ほら、たった一度の敗北ぐらいでくよくよしない!」

「あ、姉御……。……そうだな、次会った時に勝てば良いんだよな!」

「そうそう、元気っ娘のアギトに落ち込む顔は似合わないよ。……にしても防御魔法無しで50口径のデザートイーグルすら無傷で耐えるとは、あの男の身体には何らかのトリックがあるんだろうね」

「それも気になるけどさぁ…………あの男が二つの闇の書事件で糸を引いていたって事、姉御は大丈夫なのか?」

「……何が」

「何がって、そりゃあ当然……両親の事とか、故郷の事とか……」

「何を言うかと思えば、そんなの……」

一旦呼吸を置いたマキナは下を向いてギリッと歯を食いしばり、憤怒の形相を浮かべる。

「許せないに決まってるっての。あの男のせいで私やお父さん達、シャロンにアクーナの皆の運命が狂わされたのだから、あまりの怒りで身体が内側から焼け焦げそうだ……!」

「姉御……」

「でも……今回の件でよく理解した。怒りに憑りつかれた状態(ファントム・フォーム)で戦ったら、本当の意味での勝利は得られなくなる。かつてカーミラさんを犠牲にしたサバタ様のように、負の感情に飲み込まれて自分を破滅させるだけになる。私は……“もう一つの報復心”と向き合わなきゃいけないんだ」

「もう一つの報復心か……。姉御の人生は苦難の連続だな、ホント」

「だけど諦めないよ。サバタ様が自分の信念を貫き通したように、私も怒りじゃなくて自分の意思で戦う。生涯憧れているあの人の姿を、命ある限り目指し続けてみせる」

マキナが握り拳を作って決意を固めたその時、コンコンと扉のノック音が響き、家主のリスべスが部屋に入ってきた。

「マキナさん、お身体の調子はどうですか?」

「おかげさまでこの通り。残ってる傷も弱い治癒魔法を併用すれば早めに塞がるから、見た目はこんなんだけどすぐに治るよ」

「それは良かったです。あの時の治療の恩返しもしてなかったので、この際どうぞゆっくりしていってくださいね」

「まさに情けは人の為ならず、か。ちなみに本来の意味で言ってるからね」

姉御の友人(シャロン)を探して放浪してた旅が、こういう形で功を奏するなんてなぁ……面白い縁もあったもんだ」

そう言って彼女達はにこりと微笑みあう。なお、リスベスの言う治療とは、この紛争が起こる前……長年続いていた紛争の終戦間近の時期に、リスべスが突然の事故で大怪我を負った事があり、偶然通りがかったマキナが治癒魔法を使った事を言っている。以前なのはに伝えた“管理外世界で治癒魔法を使った怪我人”とは、実はリスべスだった訳である。

「ところでリスべス、同居人達は今何してる?」

「ロックは一階
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ