第5話
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調べていまして……」
「”アルカンシェル”………ああ、あの有名な劇団の事ですね!いや〜、クロスベルに来たからには私も一度は見ておきたいんですが忙しくてなかなか時間が取れなくて。そういえば今度、新作が発表されるそうですね?」
「え、ええ……」
「……実は、その新作の公演についてちょっとした問題が起きていまして。その捜査の一環としてこちらに伺わせてもらったんです。」
「ふむふむ……何か事情がおありのようですね。わかりました、詳しい話を聞かせていただきましょう。」
エリィの話を聞いて頷いたツァオはロイド達にソファーに座るよう促し、ソファーに座ったロイド達は事情を話した。
「ふむ………”銀”ですか。」
事情を聞き終えたツァオは考え込み
「こちらの貿易会社は、カルバード共和国の東方人街に本社がおありだとか………もしかしたら、名前くらいご存知ではないかと思いまして。」
「ふふ……なるほど。まるで私達がその”銀”なる犯罪者と関わりがあるかのような仰られようですね?」
ロイドの話を聞き、口元に笑みを浮かべて尋ねた。
「いえ、とんでもない。正直情報が少なくて………こうして藁にもすがる思いでお訪ねしたというだけなんです。」
「ふふ、いいでしょう。あくまで一般的な情報ですが………”銀”についての、もう少し詳しい伝説についてご披露しましょうか。」
「………お願いします。」
「―――”銀”という名前は、共和国の東方人街では非常に有名です。仮面と黒衣で身を包み素顔を見せない凶手……影のように現れ、影のように消え、狙った獲物は決して逃がさない………そして……ここが肝心ですが、どうやら不老不死という話なのです。」
「ふ、不老不死?」
「それはどういう……」
ツァオの話を聞いたロイドは戸惑い、エリィは真剣な表情でツァオを見つめた。
「どうやら”銀”は、百年以上前から凶手として活動を続けているそうです。百年前といえば、カルバード共和国が民主化された直後くらいの事ですね。そして、その時の記録を調べると確かに”銀”の名前が頻出するそうです。動乱期の最中、要人を次々と葬った黒衣に身を包んだ謎の魔人としてね。」
「……ますますもって荒唐無稽な話ですね。」
「やっぱり、ただの言い伝えで実在はしてないんじゃねえのか?」
「いえ――――実在しますよ。」
銀の存在について否定的な意見を口にしたティオとランディの意見を否定するかのようにツァオは笑顔で答えた。
「っ……!?」
「なにぃ……!?」
「東方人街の裏側において”銀”はただの伝説ではありません。正体不明ではありますが条件さえ合えばミラで雇える最高の刺客にして暗殺者……あらゆる暗器
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