第48話勃発、《影妖精》VS《火妖精》
[2/4]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
胆すぎるその場しのぎのでっち上げである。そして、この集団の一角に問題を起こす。《影妖精》と《水妖精》の同盟という事はーーー
(この場にいる《ウンディーネ》・・・《ウンディーネ》の大使って私!?)
《水妖精》の大使と疑われる危険のある少女、アリー。彼女はまだ自分が注目される前にサクヤの後ろに隠れる。突然すぎて自分と似ている格好のサクヤの後ろに隠れる以外に他の方法が思い付かなかったのだろう。
「《スプリガン》と《ウンディーネ》が同盟だと?その重要人物である大使の護衛がたったの一人か?一応もう一人いるみたいだが」
「ああ、そうだ。この場には《シルフ》・《ケットシー》両陣営との防疫交渉に来ただけだからな。だが会談が襲われたとなれば、それだけじゃ済まないぞ。四種族で同盟を結んで、《サラマンダー》に対抗する事になるだろう」
「オレとキリトと一緒に来た四人はレネゲイドとして《シルフ》にて雇われていた者達だ。《スプリガン》の彼にはこの瞬間に間に合うように協力を頼んだ。《シルフ》の領主サクヤ殿の後ろに隠れている《ウンディーネ》は大使という訳ではない」
アリーが大使だと疑われる危険はなくなり、ホッと安心し溜め息を吐いた。だがそんな事は今はどうでもいい。この男、《サラマンダー》のユージーン将軍はまだ二人の事を疑っている。
「たった二人、大した装備も持たない貴様をにわかに信じる訳にもいかない」
そう言ってユージーン将軍は背中の鞘から剣を抜いたーーー《魔剣グラム》。この世界に一本しか存在しない、謂わばーーー《伝説級武具》。
「俺の攻撃を30秒耐えきったら・・・キリト、貴様を大使として信じてやろう」
「随分気前がいいな」
ユージーン将軍の標的、偽りの大使キリト。30秒あの男の攻撃を耐えきったら嘘が通る。領主を救えるかもしれない。だがそれに納得出来ていない少年がいる。
「ちょっと待てや。まずはオレが相手になる。オレに勝てなきゃ大使の・・・《スプリガン》の大将の首は取れねぇぞ。キリト、先にオレにやらせろ」
偽りの大使の護衛、ライリュウが口を挟む。彼は自分が対象外にされたのが勘に障ったのだろう。ここで、ユージーン将軍からの疑いの目が強くなる。
「さっきから気になっていたが、護衛人の貴様。護衛人が大使に向ける言葉遣いではないのではないか?」
そう。大使に対する護衛人の話し方。大使と護衛とは謂わば主従の関係である。大使が主。それを守り、付き従う護衛は従。彼の口調は主というより友達に対する口調であった。それもそのはず。何故なら彼らはーーー
「大使も護衛も名義以外の意味はない・・・我々は友だ!上下
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ