4話
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ません」
僕の言わんとすることがイマイチ理解できないのか難しい顔をする一夏さん。
ここからが本題だ。
「追い込まれた人間はなりふり構っていられないから、条約なんて簡単に破られてしまいますよ。そしてISが軍事利用される状態、それは絶対に敗北が許される状況ではないんです。だってISが負けたらもう敵のISに対する対抗策がもうないかもしれないから」
そう、僕たちIS操縦者が戦いに赴く時、それは絶対に負けてはならない戦いを強制されるのだ。自分たちが負ければ、自分の後ろにあるものが全て失ってしまう、奪われてしまうこととイコールなのだ。
ISについて調べれば調べるほど、理解すれば理解するほど僕はISについてそんな認識を抱いていた。
だけど、ISを倒せるのはISだけとは個人的には微塵も思っていない。それを証明する証拠がないからだ。あるのは開発者の言葉の『ISを倒せるのはISだけである』。これだけだ。それを真っ向から信じるほど僕はお人好しでもない。
エネルギーで動いている以上、ISじゃなくても勝算は少なからずあるだろう。でもそれを口にする必要はない。
僕の言うことが理解できたのか顔を青くする一夏さん。大量虐殺者に関する話についてはしない。そこまで目の前の人に教えてやる義理も恩もない。
「そうです、だから僕にとって勝てるのか? 負けるのか? というのは然程重要なわけじゃないんです。なぜなら絶対に勝つしかないんですから」
そこまで言い切って、顔の青い一夏さんにおどけるように声をかける。
「まあ、それはあくまで僕たちが人としてではなく兵器を運用する歯車として使われる時の話しですけどね。今回の戦いは真剣勝負ですけど、命がかかってるわけではないので深く考えなくてもいいと思いますよ」
その言葉に顔色が良くなる一夏さん。
だけど、僕の言ったことを重く感じ取ったのかやや難しい顔のままだ。
それでいい、いざという時に覚悟できなくて何もできないのが1番まずい。
僕だって覚悟ができているわけではない。
考えたくもない、人を殺すだとか人の大切なものを奪うなんて。
だけど、自分の大切なものを守ろうとする覚悟は自分の左手が欠けた時から覚悟している。
だからこそ、今回の戦いには覚悟を持って臨む。
あの女は僕の大切なものを馬鹿にしたのだ。それを見過ごす訳にはいかない。
だから証明しなければならない。
勝負の重さを、そしてゲームは馬鹿にされるものではないと。
「ああ、織斑くんに月夜くん。まだ教室にいたんですね。よかったです」
「はい?」
「なんでしょう? 山田先生」
山田先生の声がしたので後ろに体ごと振り向く。
ゆっくりと教室に山田先生が書類片手に入
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