4話
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とカスタム・ウイングによって空を飛べるんですよ。ISによっては複数のPICを搭載して複雑な動きを実現させてます。ぶっちゃけると飛行機の翼と、それを制御するシステムみたいなものです」
放課後、僕は一夏さんにISについて教えていた。
ISというのはとにかくややこしく、専門用語が延々とひたすらに続いている。正直、専門の辞書でもないとやっていられないと思うことが多い。残念ながらISの専門辞書などはないので、とにかく根気よく調べて理解するしかないのだ。
本当はやりたいことがあったが、約束を反故にするわけにもいかないのでこうやって教えているのだ。
一夏さんは、ふんふん、と頷きながらノートを書いている。でもどこか集中しきれていないような気がする。
原因は、放課後とはいえまた女生徒たちが各所から現れ、僕たちのことを遠巻きに眺めながら小声で話し合っている。
他の休み時間もお昼休みも似たようなものだった。学食? という食事処に向かうとそれだけで沢山の人が列を作ってついてくるのだ。
あんたら暇なの? と言いたくなった。
その時、僕が食べている食事を見て一夏さんや周りの人たちは口を開けて唖然としていたが、何を驚くことがあったのか未だによくわからない。
ふぅ、と疲れたのか一夏さんは短くため息をついて、ペンを机に置いた。
「鬼一、今日はごめんな。せっかく止めてくれたのに、巻き込んでしまって」
「別に構いませんよ。遅かれ早かれこうなってたでしょうし」
一夏さんのバツの悪そうな表情と申し訳なさそうな声色で謝ってくる。
実際気にしていない。僕も我慢すればよかったのに喧嘩を買ったから同罪だ。
ああいう手合いはどこかで黙らせる必要があるが、それが1週間後になっただけの話だ。
だが、負けるわけにはいかないので相応の準備をする必要はあるので一夏さんに断りを入れる。
「一夏さん、引き受けて早々申し訳ないのですが、オルコットさんを倒す準備をするのでこれから勉強を教えられないこともあるかもしれません」
「い、いや、俺こそ鬼一に教えてもらうばかりじゃなくて自分で勉強したり、先生にも聞くようにするよ」
そう言ってもらえるとこちらも助かる。
「なぁ鬼一、本当に勝てるのか?」
不安そうに聞いてくる一夏さん。
一夏さん、そんなことはもう大して問題じゃないんですよ。
「一夏さん、ISについては僕もまだ知らないことが多いのですが、それでもハッキリ分かってることがあります」
僕の言葉に、なんだ? と首をかしげる一夏さん。
「ISは今、強大な軍事力として利用される可能性があるのは分かりますよね? 条約で表向きは軍事利用するのは禁止にされていますが、それはそこまで重要ではあり
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