六弾 風の警告と蠢く者。そして……終わらない明日を目指す者達
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ィスで撃ち抜く。
______ドオオオォォォン??
「「きゃあ」」
アリアとアカリが吹き飛ぶのを目で見ながら俺はバルコニーから飛び降りた。
「え? ちょっと、トレイン君??
ここ、11階なんだけど」
サヤの慌てる声が聞こえたが……心配いらねえ。
かつて飛び降りた190メートルもしたルナフォートタワーの高さに比べたらマシだ。
ハーディスのワイヤーを階下のベランダとかに引っ掛けてグライダーのように滑空させながら下に降りていけばいい。クロノス時代にこんなことは何度もあったしな。
……覗きが原因でマンションから飛び降りたのは初めてだけど。
と、そんなことを考えながら俺は男子寮に戻るのだった。
翌日。俺とキンジはスヴェンとサヤに武偵高の黒い体育館に連れてこられた。
来るまでにサヤからは昨日のことでお小言を言われたり、肩を撃ったことの謝罪と心配をされた。
防弾製の衣類を着てたから怪我はしてないから、心配はいらねえのに。サヤの目には涙があった。
女の涙には弱い俺はサヤに心配いらねえ、昨日のは誤解だから、とあたふたしながら伝えたのだが。
後でスヴェンに「お前、やっぱり情けねぇな」とか言われた。どういう意味だ?
サヤはサヤで「案外チョロいっスね……心配」とか言われたし。
「さあ、着いたっス。ここが強襲科で、トレイン君が最初に試験を受ける学科っスよ」
……ここがサヤが所属する強襲科か。
って、あれ? ここの試験受けないんじゃなかったか?
俺の疑問に「お前のその身体でどこまで出来るか確認する為だ」とスヴァンは答えた。
「強襲科のことを簡単に説明すると、えっと……『拳銃、刀剣その他の武器を用いた近接格闘による強襲逮捕を行う学科』で『毎年100人中3人が亡くなる明日無き学科』とか呼ばれていたり、後は……」
サヤの説明を聞いていたその時だった。
「おーうキンジぃ! お前は絶対帰ってくると信じてたぞ! さあここで1秒でも早く死んでくれ!」
「まだ死んでなかったか夏海。お前こそコンマ1秒でも早く死ね」
「キンジぃー! やっと死にに帰ってきたか! お前みたいなマヌケはすぐ死ぬぞ! 武偵ってのはマヌケから死んでくもんなんだからな」
「じゃあなんでお前が生き残ってるんだよ三上」
キンジに死ね、死ね言おうと次々に人が集まってきた。
なんだ、ここは??
死ね死ね教とかの総本山か?
「あー……今ので解ったと思うっスけど。ここでは挨拶代わりに死ね死ね言うのが当たり前なんだよ。
まあ、『郷に入りては郷に従え』……日本の諺っスけど、ここに入るのなら、死ね死ね言わないと駄目っスよ?」
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