閑話―桂花―
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女だ。
美しく長い金髪は腰まで伸ばされ、毛先がどこぞの覇王のようにカールしている。
顔は端正で目はやや吊り目、自尊心の高さが容姿に現れている。
胸は大きく自己主張しており、腰はしっかり括れている。
まさに美を体現したような女性だ。どことなく袁紹に――……
「私のことより、桂花さんの事ですわ! 良いこと、彼女は相当な覚悟を持って訪れ、肌を晒したのです。その想いを無下にすることがあっては名族失格ですわ!」
「だが、この事態の解決には――」
「で・す・か・ら! このまま絵をお描きになって、彼女と添い遂げるのです。
そうすれば桂花さんの尊厳も守られ、万事解決ですわ!」
「その心は?」
「勿論、それらしい提案に託けて、可愛らしい猫耳を愛でる事で――……」
「……」
「……」
「……」
意識を現実に戻した袁紹は筆を走らせる。この間わずか一秒。
脳内会議に現れた謎の美女の意見は可決、変更を入れ実行する事になった。
このまま桂花を描き、完成まで後は一人で十分だと部屋へ帰す。
これだけ聞けば袁紹らしからぬ決定かもしれない、恋の据え膳を喰らった彼ならば――
――よし、一先ず出来た。
ややあってラフ画は完成。桂花に声をかけ様としたその時、袁紹の思考は止まり性欲が湧き上がった。
今まで彼を冷静にさせて来たものの正体、それは使命感。
桂花に恥をかかせまいとする心遣いが性欲を凌駕し、雄としての本能を抑え付けていた。
しかし、ラフ画が完成して場を取り持つ理由が出来た途端、袁紹の中の使命感が欠如。
素の状態で桂花の裸体を目にしてしまった。
恥ずかしさからか顔を背けて寝台に座り、事前に持ってきていた布で恥部を隠している。
上半身を晒した状態だが胸の辺りで布を握り締めており、その姿はさながらヴィーナス。
ラフ画に描かれた蠱惑な女性がそこに居た。
「……」
理性の扉を御輿に乗った世紀末袁紹が叩いている。長居は危険だ。
「桂花、下書きが完成したぞ」
「見ても宜しいですか?」
「うむ、是非評価してくれ」
モデルとしての役目を終えた桂花は、布で大事な部位を隠し袁紹の傍らに移動する。
そして描かれた自身の姿を見て息を呑んだ。まず驚いたのはその完成度。
今にでも動き出しそうな桂花が色っぽく月を眺めている。
忠実に再現しすぎて胸部装甲が薄い点は不満だが、変に美化されるよりずっと良い。
売りに出せば大陸中の金持ちが欲しがるだろう。袁紹と桂花にこの絵を表に出す気はさらさら無いが……。
「後は我一人で完成させられる故、今日はもう休むと良い」
「……やっぱり、
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