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恋姫†袁紹♂伝
閑話―桂花―
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は『天変地異の前触れです!!』などと言い出す始末。

 そんなブラックを皆がなだめている中、桂花は一人冷静に思考していた。
 桂花の驚きが少なかったのは、先程の提案が蹴られることを想定していたから。
 レッドは一時期、護衛と称して珍妙な行動をとっていた。その日から彼女の中で何かが変わった、若しくは芽生えたか、桂花は女特有の勘で気がついていたのだ。

 故に、この事態に対する対策も用意してある。

「荀ケ様、例の物が到着致しました」

「そう、ここまで運んで頂戴」

「ハッ」

 ガラガラと音を立てて例の物が姿を現す、それは―――

「!?」

 以前レッドが乗りたがっていた木馬だ。迷族のお仕置き用に角ばっていた背は丸みを帯びていて、知らない者の目からは大きな玩具にしか見えない。
 これが対レッド用の秘策だ。彼女が木馬に乗りたがったその日、風によりこの玩具用が作成されていたことを知っていた桂花は、人一倍好奇心旺盛なレッドに与えるべく持って来たのだ。

「……」

 レッドはしきりに木馬を気にしていた。今はイエローと木馬を交互に見ながらそわそわしている。
 恐らく己の中の葛藤と戦っているのだろう。その様子にイエローは苦笑しながら、目を輝かせている彼女に頷いた。

「!」

 それを見たレッド―――恋は、目元を隠していた仮面を取り払い、目に見えぬ速さで木馬に跨った。
 余程気に入ったのか頭上のアホ毛が左右に揺れている。犬の尻尾か何か?

「ふふ、良い娘ね。……連れて行きなさい」

 桂花が恋の愛らしさに顔を数瞬惚けさせ合図を出すと、武神を乗せた木馬が動き出した。
 どうやら複数人の兵士に引かせているらしい。その周りを子供達がついて行く。
 武装も無く、大陸一平和な戦車だ。跨っている武人が規格外だが……。

「く、れっどが……」

「だがレッドは我ら五蝶仮面の中でも最弱――」

「いや、最強じゃね?」

 したり顔で呟くイエローに、グリーンの鋭い言葉が突き刺さる。
 役者が居なければツッコミをこなせるらしい。意外な発見だ。

「む、ぶらっくの姿が見当たらぬ」

「……想像は付くであろう」

「まさか!?」

 そのまさかである。遠のいて行く木馬を良く見ると、恋の膝上に音々音が収まっていた。
 桂花に師事してもらってから依存度が落ち着いたとは言え、恋が大好きな事に変わりは無い。
 音々音にとって、華蝶仮面ごっこより恋と木馬の方が魅力的だった。
 ただそれだけである。

「我々が此処まで後手に回されるとは、頼むぞぐりーん!」

「応さぁッッ!!」

 リーダーであるブルーの指示を受け、三番手に飛び出してきたのはグリーン。
 大刀を肩に掛け、不敵な笑
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