第百九話
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リーダーが女性だと分かっていたリズから警告が飛ぶが、当のリーダーの少女はカラカラと笑う。さらにそんな言葉を吐きながら、ルクスへニッコリと笑いかけていた。ルクスもいた前の世界――それはつまり。
「そう。あの浮遊城でのね。随分つまらない世界になっちゃったみたいだけど」
ああ、でもプレイヤーを襲ってもオレンジにならないのは、便利になったわね――と月光をスポットライトにして、演技でもしているかのように笑う。不必要なまでに魔法を使わないことや、武器や連携の熟練度から、どこかからコンバートしてきた連中だとは思っていたが――まさか、よりにもよってあの浮遊城の、しかもオレンジプレイヤーから。
「今日は邪魔が入っちゃったし、引き上げるけれど……また一緒に楽しみましょうよ、ルクス」
「待って……グウェン……私はっ……!」
「ちょっとルクス!」
他のメンバーに撤収命令をしながら――グウェンと呼ばれた彼女もまた、シルフらしき翼を展開して空中に浮かぶ。それを這ってでも追おうとするルクスを、無理やりリズが引き止めると、その姿を空からグウェンは見つめていた。
「あら。いい仲間を持ったのね、ルクス。……でも、過去は絶対にあなたを逃がさないわ」
PK集団が続々と撤退していく空の向こうに、キリトたちの姿が見える。それを横目で確認したグウェンは、手早く合流しようと宙返りしてみせながら、ルクスや俺たちにウィンクして飛び去った。
「それじゃあ、またね。《笑う棺桶》のル、ク、ス、さん?」
足に刻まれたドクロ、とても素敵だったわ――そう言い残して。
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