3話
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「それではこの時間は実戦で使用する各種装備の特性について説明する」
1、2時間目と違って、山田先生ではなく織斑先生が教壇につく。大切な話なのか山田先生は真剣な表情でノートまで持っていた。
「ああ、その前に再来週行われるクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
忘れていたものを思い出したような織斑先生。クラス対抗戦とその代表者を決めるらしい。
うん?
「クラス代表者とはそのままの意味だ。対抗戦だけではなく、生徒会の開く会議や委員会への出席……まあ、クラス長だな。ちなみにクラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。今の時点でたいした差はないが、競争は向上心を生む。一度決まると1年間変更はないからそのつもりで」
ざわざわと教室内が騒がしくなるが、気になる点があったので質問する。
「すいません、織斑先生。質問よろしいでしょうか?」
「なんだ月夜」
「このクラス代表者なのですが、複数立候補者が出てきた場合はどのような方法で決定するのでしょうか?」
「方法に関しては特に決めていない。立候補者全員が納得する方法を決めてもらうつもりだ。私個人としては実際にISを用いた試合で決着をつけてもらいたいと思っている」
「分かりました。ありがとうございます」
ふむ、クラス代表者になる方法はまだ決まっておらず、自由なのか。
どうせなら、織斑先生の言うIS戦で決めてくれた方が自分がどのくらいの力を持っているか分かるのに。
仮にクラス代表になったらそれはそれで他のクラス代表とも戦えるのだから、確実に自身の成長に繋がる。
頭の中でメリットとデメリットを考え始めていると、1人の女生徒が声を上げた。
「はいっ。織斑くんを推薦します!」
「では候補者は織斑一夏……他にはいないか? 自選推薦は問わないぞ」
「お、俺!?」
予想外だったのか勢いよく立ち上がる一夏さん。そして一斉に集まる視線。
見たことのある視線。
あれは無責任な期待の視線だ。
「織斑。席に着け、邪魔だ。さて、他にはいないのか? いないなら無投票当選だぞ」
「ちょっ、ちょっと待った! 俺はそんなのやらない―――」
「自薦他薦は問わないと言った。他薦されたものに拒否権などない。選ばれた以上は覚悟をしろ」
「い、いやでも―――」
まだ反論をしている一夏さんを、女性特有の甲高い声が遮った。
「待ってください! 納得がいきませんわ!」
手を机に叩きつけながら立ち上がったのはオルコットさんだ。
あの様子だと、一夏さんを助けるわけではなく、むしろあれは―――。
なぜ、女である自分ではなく、男が代表になるの
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