3話
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ると聞いていましたから。そこの男は少しはマシですが、あなたには知性を感じさせません。期待外れですわね」
僕も一夏さんも好きで入ったわけではなく、多分、入れられた、というのが正解。
そもそも僕たちは例外であるからこの学園に入れられたんだろう僕たち2人に関しては。
まぁ、命の危険とかもあるのでそれの保護という意味合いもあるだろうが。
「俺に何か期待されても困るんだが」
「ふん。まあでも? わたくしは優秀ですから、あなた方のような人間にも優しくしてあげますわよ」
しかし煽りスキルの高い人だ。こんなんが優しさだったらどっかのゲーセンだとリアルファイトものだ。当時は嫌だったのに今となっては懐かしさすらある。いや、だからといってリアルファイトしたいわけじゃないが。
「ISのことでわからないことがあれば、まあ……泣いて頼まれたら教えて差し上げてもよろしくってよ。何せわたくし、入試で唯一共感を倒したエリート中のエリートですから」
唯一を随分強調するな。
「入試って、あれか? ISを動かして戦うってやつ?」
「それ以外に入試などありませんわ」
「あれ? 俺も倒したぞ、教官」
……一夏さん、教官に勝ったのか。それは知らなかったな。
僕も教官とIS、自身の専用機で戦ったが負けてしまった。
試合時間28分45秒。エネルギー切れによる僕の敗北。
「は……?」
理解できていないのか、それともしたくないのか間抜けな声を出すオルコットさん。
相当なショックだったのか、目を見開いているし僅かに唇も震えてる。
「わ、わたくしだけと聞きましたが?」
「女子ではってオチじゃないのか?」
一夏さんの発言で空気にヒビが入ったような気がした。これ、無意識でやっててこの空気を感じていないなら、一夏さんも大概な神経をしているかもしれない。
「つ、つまり、わたくしだけではないと……?」
「いや、知らないけど」
「あなた! あなたも教官を倒したって言うの!?」
よほど熱くなっているのか、僕の存在を忘れて一夏さんを問いただす。
いいや、ここで出しゃばって矛先を向けられるのも嫌だ。
「うん、まあ。たぶん」
「たぶん!? たぶんってどう言う意味かしら!?」
「えーと、落ち着けよ。な?」
「こ、これが落ち着いていられ―――」
まだ言葉を続けようとしたオルコットさんだが、そこでチャイムが鳴った。
「……っ! またあとで来ますわ! 逃げないことね! よくって!?」
頷く一夏さん。でも表情からは嫌だって聞こえてきそうだ。
そのあとすぐに織斑先生と山田先生が教室に入り、授業が始まった。
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