暁 〜小説投稿サイト〜
世界最年少のプロゲーマーが女性の世界に
3話
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 「あなたっ、本気でおっしゃってますの!?」

 怒気を表した表情で声を荒げたまま一夏さんに問いかける。
 あ、オルコットさん青筋浮かんでる。よほど頭にきたみたいだな。

 「おう。知らん」

 見えを張らない、いっそ清々しさを感じさせる一夏さん。まずい、腹筋が……っ。笑いが……。

 「………………」

 「……くっくっく」

 バッサリとオルコットさんをぶった切った一夏さんの返答で堪えきれず笑いをこぼしてしまった。
 怒りを超えて逆に冷静になったオルコットさんは、頭が痛いのかこめかみを人差し指で押さえながら何か呟いている。

 「信じられない。信じられませんわ。極東の島国というのは、こうまで未開の地なのかしら。常識ですわよ、常識。テレビがないのかしら……」

 オルコットさん、自分の常識と他人の常識を一緒にするのは後々諍いの元になりかねない。しかも自分の常識が通じないからと言って相手の常識を疑い馬鹿にするのは国の顔としてどうかと思う。

 それとあなたが馬鹿にしていた、

 その未開の地、極東の島国の人間が生み出した兵器があるからあなたに価値があるのでは?

 「で、代表候補生って?」

 一夏さんは周りのそんな様子に気づいていないのか、質問を続ける。
 それに答える僕。

 「うーんと、その国のIS操縦者のトップが国家代表といいます。それの候補生として数名選出されるんですよ。それが代表候補生ですね。
 オルコットさんはイギリスの次期国家代表の候補生なんです。有体に言えばエリート言えば伝わりやすいですかね?」

 わかりやすく噛み砕いて説明したおかげか一夏さんは頷きながら、なるほど、なんて神妙な声を出す。

 「そう! エリートなのですわ!」

 復活したオルコットさん、どうやらかなりイイ神経しているみたいだ。
 かなり失礼なことを考えながらオルコットさんを見る。

 細長い人差し指が一夏さんに向けられる。
 どうでもいいけど人差し指で人を指すのは、オルコットさんの中では失礼に値しないのだろうか?

 「本来ならわたくしのような選ばれた人間とは、クラスを同じくすることだけでも奇跡……幸運なのよ。その現実をもう少し理解していただける?」

 自分を選ばれた人間と言い切るとは恐れ入る。
 そんな言葉を言い放てるほど、この人の歩いてきた道は立派なものだろうか?

 「そうか。それはラッキーだ」

 「……馬鹿にしていますの?」

 自分が予想していた返事が出てこないからか、どこか苛立ちを感じるオルコットさん。
 人を馬鹿にしているのはあんただろうが。

 「大体、あなたISについて何も知らないくせに、よくこの学園に入れましたわね。男でISを操縦でき
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