機動戦艦ナデシコ
1341話
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る為にこうして味方の振りをして出て来たって考えてもおかしくないだろ!」
叫ぶ男。
……ちっ、少し不味いな。
男が叫ぶのはともかく、それを聞いて何人かの軍人が反応を示した。
プロスペクターが言ってた通り、俺達を木星蜥蜴と同一に見る存在が少なからずいるという事の証明になってしまったな。
厄介な真似をしてくれる。
「ほらっ、根も葉もない出鱈目を叫んでないで、こっちに来るんだ! お前、ここがどういう場所だか、分かってるのか!?」
軍人の1人が強引に男を引っ張って去って行く。
そうして、やがてパーティ会場から騒がしい男は消えたのが、そこに漂っている雰囲気は決して騒ぎの前のように友好的なものではない。
シャドウミラー=木星蜥蜴という風に思っていた者はどうやら予想以上に多かったらしい。
さて、どうするか。
円がどうするの? といった視線でこっちを見ているのに合わせ、考える。
取りあえず、そうだな。この空気を少し穏やかなものにするか。
そう判断すると、パーティ会場の真ん中へと向かう。
突然動き出した俺の姿に、周囲のパーティ客達は視線を向ける。
俺が誰なのかを知っているからこその行為だろう。
「さて、多少場が白けてしまったので、シャドウミラー代表として俺が軽い芸を見せようと思う。……1、2、3!」
その言葉と共に俺の右手が白炎へと変わる。
パーティ会場内にざわめきが起き……だが、次の瞬間には歓声が響き渡った。
何故なら、白炎から鳥や犬、猫、といった小動物の炎獣が幾つも生み出された為だ。
そうしてパーティ会場中を走り回り、飛び回る。
「それは炎獣と呼ばれる、俺の使い魔に近い代物だ。触れても火傷はしないから、安心して欲しい」
その言葉に、何人かの軍人がそっと手を伸ばして犬の炎獣へと触れ……感嘆の溜息を吐くのだった。
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