機動戦艦ナデシコ
1341話
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てやりやすいかと言われれば、それは当然俺だろう。
もっとも、これは懇親会である以上、露骨な交渉をしてくる奴はいないが。
「料理は美味いんだから、ゆっくりと食べたいよな」
「火星の料理は美味しくないって話だったけど、地球に来ればきちんと美味しい料理があるのね」
「火星の料理が不味いってのは、地面に栄養がないから素材が不味いせいらしいしな。地球は全くそういうのは関係ないから、普通に美味い料理が食える訳だ」
そう呟いた瞬間、不意に大声が聞こえてくる。
「お離しなさい! 私は、貴方のような方とお付き合いするつもりは一切ありません!」
その声が誰の声なのかというのは、俺も円も当然知っていた。
『あやか?』
奇しくも、俺と円の声が重なる。
しかもその声はかなり不愉快な色を感じさせており、色々と不味い事態になりそうな気さえしている。
円と顔を合わせてお互いに頷くと、そのまま声の聞こえてきた方へと向かって進んでいく。
声の聞こえてきた方へと進むにつれ、パーティに参加していた客達がある一定の方を見ているようになる。
そうして1分も掛からずに声の聞こえてきた方へと到着した俺と円が見たのは、不愉快そうな表情であやかが連合軍の軍人……将校と思しき中年の男を睨み付けている光景だった。
「ひっく、おい姉ちゃん。お前俺にそんな口を利いてもいいと思ってるのか? 俺を誰だと思ってやがる? 俺はなぁ、連合軍の少将様だぞ!」
40代くらいのあの男は、どうやら少将らしい。
少将と言えばかなりの地位なのは間違いないが……にしても、何だってあんな奴が少将なんだ?
隊長とその部下といった感じで明確な階級がないシャドウミラーの俺が言うべき事じゃないかもしれないけど。
「少将だろうがなんだろうが、関係ありませんわ。いえ、そもそも少将という地位にある方が嫌がっている女を強引に連れ出そうとするなど言語道断!」
「ひっく……んだと、姉ちゃん。お前、俺に逆らってどうなるか分かってるんだろうなぁ!」
このやり取りを聞く限り、連合軍の軍人が酔っ払ってあやかにちょっかいを出してきたって訳か。
で、それをあっさりと断られて頭に血が……と。
「うわぁ。連合軍にとって、今回のパーティってかなり大事なものの筈でしょ? なのに、こんな事をしてもいいのかしら? あの人、少将って言ってたけど、間違いなくパーティが終わったら酷い目に遭いそうな気がするんだけど」
「だろうな。まぁ、あの少将はあやかをシャドウミラーのメンバーと思っていない可能性も高い気が」
このパーティには、当然連合軍からもそれぞれが自分の知り合いとかを連れて参加しているし、中にはウェイトレスやウェイターといった者もいる。
そういう面子とあやかを勘
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