第36話
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ないけどね。ノーテンキが移りそうだし。」
「あ、あんですって〜!?」
「………2人とも。」
いつものように口喧嘩を始めようとしたジョゼットとエステルをヨシュアは呆れた様子で見つめて呟いた。
「コホン………だが、この私はどう考えてもこの場にいるのに相応しい人物だとは思えない。かつて大それた陰謀を巡らし、君達、いやリベールそのものを窮地に陥れた大罪人………いったい何の間違いかと思ってね。」
「リシャールさん………」
リシャールの話を聞いたクローゼは心配そうな表情で見つめた。
「で、でも………!大佐だって王都が襲われた時、駆けつけてくれたじゃない!?」
「そ、そうですよ!あの部下の人達と一緒に街のみんなを助けてくれて………」
「ふふ………正直、あれは助かったわね。」
「その後も、ハーケン門に向かった僕たちやクローゼの代わりに王都の守りを引き受けてくれました。」
「たしかに、そういう意味じゃ協力者だったと言えなくもねぇな。」
「それに大罪人でしたらリシャール殿と同じく情報部の少尉として暗躍し、そして結社の”執行者”としてリベールを窮地に陥れたロランス少尉―――レーヴェも同じですけど、レーヴェもリシャール殿と同じようにこの”影の国”に取り込まれている可能性もあるんですよ?」
「取り込まれていないかもしれないけどね。………というかむしろその方がいい。」
「全くお前とリウイのレーヴェへの態度は全然変わらんな………”神格者”になる為にあのミラの修行に耐えているのだから少しは評価してやってもいいだろうに。」
リシャールの言葉を聞いたエステル、ティータ、シェラザード、ヨシュア、アガット、プリネは納得させる言葉を言い、エヴリーヌが呟いた言葉を聞いたリフィアは呆れた表情で溜息を吐いた。
「しかし………」
エステル達の言葉を聞いたリシャールだったが、それでも納得していない様子だった。
「フッ、リシャール殿。それを言うなら、まさにその時、エステル君やリベールの敵として立ち塞がっていたのはこのボクだ。そのボクが何のためらいもなく仲間として身分を謳歌している………それを考えたら、貴方がそんなに葛藤する必要はないと思うけどねぇ。」
「……お前はもう少し葛藤した方がいいと思うのだがな。」
その様子を見たオリビエは助言をし、オリビエの助言を聞いたミュラーは顔に青筋を立てて呟いた。
「ですが、皇子………あなたは最初から帝国軍の陰謀を食い止めるために動いておられた。やはり私とは立場が違うでしょう。」
「それを言うならボクは?ボク達だって、あんたたち情報部に利用されていたとはいえ、空賊をしてたことには変わりないよ。ま、色々あったけど今は女王陛下に赦してもらって民
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