第36話
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盟友たる殿下達、ウィル閣下達におかれましてはご機嫌うるわしく………」
そしてリシャールは臣下の態度―――地面に膝をついて顔を下に向けて挨拶をした。
「やれやれ………堅物な所は相変わらずだな。」
「え、え〜と………そこまで身分は高くないから、そんなにかしこまった言い方をしなくていいよ?」
「ふふ、顔をお上げ下さい。お元気でいらっしゃいましたか?」
その様子を見たリフィアは溜息を吐き、ウィルは戸惑い、クローゼは苦笑した後、優しい微笑みを浮かべて尋ねた。
「は、女王陛下の格別のお慈悲を持ちまして………しかしこの状況………どう考えても判然としません。できれば詳しい事情をお教え頂けないでしょうか?」
「………それについては私の方からご説明しましょう。」
「君は………」
「初めまして。七耀教会、星杯騎士団所属、リース・アルジェントと申します。」
「星杯騎士団…………!………なるほど。尋常ならざる事態が起きているものとお見受けした。」
リースの正体を知ったリシャールは驚いた後、納得した様子で呟き、そして立ち上がった。
「………お初にお目にかかる。私の名はアラン・リシャール。元・王国軍情報部大佐にしてクーデター事件を企てた逆賊………そして現在では『R&Aリサーチ』という調査会社を経営している者だ。」
その後リース達はリシャールに状況を説明し、初対面の者達は自己紹介をした。
「なるほど。事情は一通り理解した。しかし……何と言ったらいいものか。」
「ん、どうしたの?やっぱりこんな話、いきなり信じるのは無理?」
戸惑っている様子のリシャールを見たエステルは尋ねた。
「正直な所、それもある。だがそれ以上に………『なぜ私なのか』と思ってね。」
「へ………」
「顔ぶれを拝見する限り、ここに集まった者はそれなりに縁のある者同士のようだ。両世界とは異なる世界から集まった者達に関してはいずれも若輩ながらもここにいる者達に負けない英傑ばかり………女神の導きか、何らかの意図か………まさに共に協力し合うのにふさわしい関係にあると言えよう。」
「言われてみれば………」
「………僕は”冒険家”。確かに今までの冒険でさまざまな国が抱えていた問題を解決したけど、そこまで評価される事は無いと思うんだけどな………」
「あ、あはは………”英傑”だなんてさすがにそれは言い過ぎだと思いますよ?」
「謙遜する事はないの、ナユタ。ナユタはクレハ様や私達、そして星中のみんなを助けたんだから!」
リシャールの話を聞いたエステルは納得した様子で呟き、アドルは静かに答えた後考え込み、ナユタは苦笑し、ノイは嬉しそうな様子でナユタを見つめた。
「ボクは別にあんたと協力したく
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