第35話
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〜ル=ロックル訓練所〜
「うわ……話には聞いていたけどさすがにこれは驚かされるわね。」
「これが”異界”か…………」
次の”星層”へと続く転位陣の前まで仲間達と共に来たエステルとアドルは周囲の様子を見回して驚いていた。
「………で、こっちの魔法陣が次の”星層”への入口ってわけね。」
「はい………”第五星層”に相当するかと。”影の王”曰く『本格的な遊戯盤』との事です。」
「うーん、その言葉から聞く限りかなりハードな場所になりそうね。覚悟して行くとしますか。」
「そうだね。始めよう、”冒険”を。」
リースの言葉を聞いたエステルは考え込んだ後、気を取り直して呟き、アドルも頷いた後、興味深々な様子で転位陣を見つめていた。
「………ええ……………………」
「ん?リースさん、どうしたの?」
「………エステルさん、アドルさん。どうしてわざわざ同行を申し出たのですか?」
「えっ………」
「どういう意味なのかな?」
リースの疑問を聞いたエステルは驚き、アドルは不思議そうな表情で尋ねた。
「この状況で、あなた達があえて同行する理由は無い筈。なのにあなた達の瞳は決意と確信、そして希望に満ちています。理由を聞いてもよろしいでしょうか?」
「そ、そんな大層な理由があるわけじゃないんだけど………うーん、そうね………あえて言うならあたしは恩返しってところかな?」
「………恩返し?」
「聞いてるかもしれないけどあたし、ケビンさんにはずいぶんお世話になったんだ。色んなところで助けてもらったし、何よりもヨシュアの抱えていた問題を解決する手助けをしてくれたし。そのケビンさんが大変な今、出来る事って何かなって思って………それでリースさんの手伝いが出来たらなって思ったの。」
「ふふ、あんたらしいわね。」
エステルの答えを聞いたシェラザードは微笑んでエステルを見つめていた。
「で、ですが………どうしてケビンへの恩返しが私の手伝いに繋がるのでしょう?」
一方リースは戸惑った様子で尋ねた。
「え、だって………リースさんって、ケビンさんの大切な人なんでしょう?」
「……………え”。」
そしてエステルの推測を聞いたリースは呆けた後、普段は出さないような呆けた声を出した。
「あ、別に恋人とか言ってるわけじゃなくて…………話を聞いてて、家族なんだなって感じがしたんだけど………違った?」
「………勘違いだと思います。私とケビンは、5年近くもずっと会っていませんでした。今回の件で久しぶりに顔を合わせたくらいで………もう………縁が切れかけているのでしょう。」
エステルの疑問を聞いたリースは表情をわずかに暗くして答えた後、寂しげな笑みを
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