第35話
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浮かべた。
「あはは、それは無いって。」
「え……………」
「『縁は深まれば絆となり絆は決して切れることはない。遠く離れようと、立場を違えようと何らかの形で存在し続ける。』―――とある調子のいいオジサンの言葉なんだけどね。でも割と、真実をついた言葉じゃないかと思うんだ。」
「……いい言葉だね。」
「………………………………」
エステルの言葉を聞いたアドルは優しい微笑みを浮かべ、リースは黙って聞いていた。
「ケビンさん、何の迷いもなくリースさんに後を託してたじゃない?それにリースさんもケビンさんがどうするつもりなのかわかっているような口ぶりだったから。うん、それってやっぱり絆だと思うな。」
「………………………………よく、わかりません。ですが、エステルさんが同行する理由は納得しました。………ちなみにアドルさんはどのような理由なのですか?」
「うーん、僕の場合はこういう状況は今更だから慣れているし、それに何より…………未知なる土地の”冒険”…………それこそが”冒険家”たる僕の理由だよ。」
「なるほど………2人とも改めて………どうかよろしくお願いします。」
エステルとアドルの理由を聞いたリースは頷いた後、微笑んで2人を見つめた。
「ああ、よろしく。」
「あはは………うん、こちらこそ!………あ。そういえば、アドルさん。一つ聞きたかった事があるんだけど、いいかな?」
「ん?なんだい?」
「アドルさんの本命の女性って結局誰なの??」
「え”。…………………ど、どういう意味だい?」
エステルの疑問を聞いたアドルは表情を引き攣らせて呆けた声を出し、尋ねた。
「だって、アドルさん、冒険する土地ごとに色んな女の人達と親しくなっているじゃない。あたしはやっぱりフィーナかなと思っているけど、実際の所はどうなのかな?リリアやオルハ、ティアやリーザも考えられるし、もしかしてアドルさんの相棒―――ドギって人の幼馴染のエレナって人?」
「あ、あはは……さすがにそれはありえないよ。僕みたいな根無し草を慕う女性なんていないと思うし。(す、鋭い………!)」
エステルの推測を聞いたアドルは無意識に自分が装備している”フィーナの指輪”の手を盾の中に隠して、冷や汗をかきながら苦笑していた。
「フフ……………それともう一つ。エステルさん自身のことで少々、お聞きしたいことが。」
エステルとアドルの会話を微笑ましそうに見つめていたリースは静かな笑みでエステルを見つめた。
「あたしのこと?うん、良い機会だし何だって聞いて欲しいかな。」
「それでは………『お人好し』ってよく言われませんか?」
「へっ……」
「はは………僕もそんな風に言われた事あるよ。」
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