第34話
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………要するに滅多に使わない力をいきなり使ったせいで目を回しちまったってとこか。」
「そう……なのかもしれません。」
「ねえ、ティナさん。ティナさんでも駄目なの?ティナさん、昔は凄い治癒術師だったじゃない。」
アガットの推測にリースは悲しげな様子を纏わせて頷き、エステルはティナに尋ねた。
「はい。魔力や”気”とはまた異なった何かの力―――恐らくその”聖痕”によって消費される”力”で、その”力”が何なのかもわかりませんので………」
そして尋ねられたティナは悲しそうな表情で答えた。
「なるほど………ケビン殿の事情は了解した。しかし、いいのか?我々に話してしまっても。」
一方ユリアは重々しく頷いた後、真剣な表情で尋ねた。
「はい………すでにケビンも皆さんには一通り説明するつもりだった様子。私も今後の探索を進める上で皆さんの協力を得る為に必要な事であると判断しました。」
「そっか………って、もしかしてリースさん………!?」
「はい、しばらくの間は私がケビンの代わりを務めます。探索の記録も含め、皆さんの先導を務めさせていただければ幸いです。」
「なるほどな………」
「で、でもいいんですか?リースさん、ケビンさんのこと本当は看病していたいんじゃ………」
リースの話を聞いたジンは頷き、ティータは心配そうな表情で見つめた。
「………倒れる前、ケビンは私に”方石”を託しました。ならばこれも従騎士の務め。どうか気にせず皆さんに協力させてください。」
「リースさん……」
「ふむ、そういう事ならあえて反対する理由はあるまい。」
「ケビンさんのことならどうか心配しないでください。残ったメンバーで分担して看ることにすれば大丈夫です。」
リースの決意を知ったティータはリースを見つめ、ミュラーは重々しく頷き、クローゼはリースを元気づけた。
「はい………どうかよろしくお願いします。」
「……………………………」
「………?エステル、どうしたの?」
考え込んでいるエステルに気付いたヨシュアはエステルに尋ねた。
「うん………あの、リースさん。一つお願いがあるんだけど。探索に向かうんだったらあたしも同行させてくれないかな?」
「え………」
「エステル?」
「ママ、どうしたの?」
エステルの提案を聞いたリースは驚き、ヨシュアとミントは不思議そうな表情で尋ねた。
「ほら、その………目を覚ましたばかりだから色々と肌で知っておきたくて。一応、これでも遊撃士だから色々とお手伝いもできると思うし。えっと………どうかな?」
「…………………………………わかりました。どうかよろしくお願いします。」
「えへへ、どうもありがとう。
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