第34話
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ある言葉が気になったエステルは首を傾げ、リフィアは黙り込み、オリビエは答えた。
「ええ、その通りです。………そしてその異能とは各々の”聖痕”の力によるもの。通常では考えられないような肉体の強化や高度な法術の使用を可能にしてくれる力の源泉です。ケビンは、その”聖痕”を持つ十二名の”守護騎士”の一人………”第五位”の位階を持つ人間です。」
「なるほど。だから私の魔槍をも使役できたんですね…………」
「「……………………………」」
(フン、どうやら奴から感じるすざましい”負”の気はそれが関係していそうだな………)
「な、なんだか別の人の話を聞いてるみたいですね………」
「それでは、ケビンさんもヨシュアさんと同じように何らかの処置を受けて………?」
リースの説明を聞いたリタは納得した様子で頷き、エリザスレインとニルは目を細めて黙り込み、サエラブは鼻を鳴らし、アネラスは信じられない表情をし、クローゼは不安そうな表情で尋ねた。
「いえ、本来の”聖痕”は意図して埋め込まれるといったものではありません。あくまで自然発生的に顕れるものだとされています。そして”守護騎士”の数は歴史を通じて常に十二名―――どの時代にも必ず、”聖痕”を宿す者がどこかに現れて”守護騎士”になると言われています。」
「な、なんだか不思議な話ね………それじゃあヨシュアにあった”聖痕”っていうのは………」
「あれは多分………本来の”聖痕”を疑似的に再現したものじゃないかと思う。………かつてワイスマンは七耀教会の人間だったからね。」
「あ、そんなこと言ってたわね。」
ヨシュアの話を聞いたエステルは”グロリアス”でのワイスマンの話を思い出した。
「………背信者ワイスマンは”星杯騎士団”の上位にあたる”封聖省”に所属する司教でした。彼は司教職にある時から”身喰らう蛇”に通じており、様々な秘蹟を盗み出したようです。守護騎士の”聖痕”に関する膨大な文献と研究もその一つ………彼はそれらを参考に意図的に”超人”を造り出す技術を結社で完成させたと推測されています。」
「やはり………そうでしたか。」
(…………背信者の司教………か………)
「ふむ、本来の”聖痕”がどういうものであるのかは何となくわかったが………しかし、どうしてケビン神父はそれで倒れる事になったのかな?”聖痕”というものはその力を引き出すにあたってそこまでのリスクを伴うのかい?」
リースの説明を聞いたヨシュアは納得した様子で頷き、アドルはかつての旅で戦い、滅したある人物の事を思い出し、オリビエは頷いた後尋ねた。
「………それは……………理由はわかりませんがケビンは”聖痕”の力を滅多には解放しないそうです。唯一、それを解放するのは”外法”を狩る
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