5章〜光と闇の迷宮〜 異伝〜遥かなる記憶 最終話〜
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…………」
セルナートの言葉を聞いたケビンは黙り込んだ後、わずかに顔を上げて信じられない様子で呆けた。
「君とてここ数十年、『第五位』が空位だったのは噂程度には知っているだろう。おめでとう―――君がその『第五位』だったわけだ。」
「……………………………」
「フッ、これで君と私は同格………長らく主のいなかった伍号機もようやく日の目を見るというものだ。」
「………なんや………それ………」
「ああ、それと守護騎士は自ら渾名を名乗る習いでね。君も今の内に適当に考えておくといいだろう。ちなみに私のそれは知っての通り”紅耀石”――――味も素っ気もないものだがな。」
「そ、そんなこと………聞いてるんやない………な、なんでオレが………そんな………姉さんを………ルフィナ姉さんを………から守れんかったオレが………」
「『―――それは特に問題ではない。問題はルフィナ・アルジェントが極めて優秀な騎士だったという事だ。聖痕が顕れなく、異教の術を使っていたとはいえ彼女の問題解決能力は時に守護騎士をも凌駕していた。その”損失”に見合うだけの働きを第五位には期待しておこう―――』―――枢機卿猊下のお言葉だよ。」
ケビンの言葉に答えるようにセルナートは淡々とした口調で答えた。
「……………………………クク………ハハハ…………なんやそれ………なんなんやそれ………ひゃははははッ!!」
セルナートの言葉を聞いたケビンは声を低くして笑って呟いた後、やがて顔を上げて大声で笑った!
「……………………………」
ケビンの様子をセルナートは黙って見つめていた。
「クク………オレが!?ルフィナ姉さんを守りたくて騎士になったこのオレがっ!?その姉さんを喰いものにして守護騎士に選ばれるやと………!?あはは、傑作や!傑作すぎて笑い死んでまうわ!混沌の女神なんかさぞ喜んでいるやろうな!ひゃー――っははははははッ!!」
「……………………………」
「………クク………ハハハ………ふふ………はは………………………」
笑い終えたケビンはやがて声を落とした後、黙り込んだ。
「――――さて。どうするケビン・グラハム。ちなみに君にはこの要請を辞退する権利がある。もっとも騎士団千年の歴史で守護騎士に選ばれながら辞退した者はただの一人もいないという話だがね。」
「フフ、そうでしょうな………」
セルナートの問いかけにケビンは嘲笑した後、やがて顔を上げ、凶悪な笑みを浮かべ、さらに目をどす黒く濁らせ、セルナートを見上げて答えた。
「―――”守護騎士”第五位、謹んで拝命させてもらいます。さっそく今日からでも仕事を回してくれて結構ですわ。後、アーライナ教の聖
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