第十一話 嵐の中でその十
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「そこに御飯炊いてか」
「何とかなるよ」
スーパーに行かずとも、というのだ。
「それでも」
「そこは工夫か」
「うん、ないならないでね」
買い置きを使ってというのだ。
「いけるよ、最悪卵さえあったら」
「卵焼きだな」
「それか目玉焼き焼けばいいから」
「それでいけるか」
「卵焼きはそのままおかずになるし」
そうした卵料理のこともだ、優花は龍馬に話した。
「目玉焼きも丼の上に乗せれば立派な丼だよ
「目玉焼き丼か」
「玉子丼にしてもいいし」
「何とでもなるか」
「最悪卵があれば」
それだけでというのだ。
「違うからね」
「そういうことも詳しいな、御前」
「ずっとお料理作ってきてるからね」
「優子さんも料理上手だけれどな」
「姉さんのお料理はあまり値段は考えないんだ」
料理にかかるコストは、というのだ。
「こだわる方でね」
「ああ、男の料理ってやつだな」
「何処かね」
「そういうところあるな、優子さんって」
「お料理とか家事はね」
そうしたことについてはとだ、優花も姉について話す。
「結構ね」
「男性的っていうんだな」
「そんな感じだね」
「がさつじゃないけれどな」
「結構ね」
それこそというのだ。
「男性的なところは確かにあるね」
「そうだよな、御前と違って」
「まあね」
ここでだ、龍馬の今の言葉を聞いてだ。
優花は複雑な笑みになった、しかし龍馬は今はその笑みを見落とした。そのうえでこの日の日常も過ごした。
そのうえでだ、六限目が終わるとだ、放送が入った。
「今日の部活はなしか」
「どの部活もね」
「警報出たんだな」
「大雨、波浪、暴風、津波って」
「揃ってるな」
放送を聴きつつだ、龍馬は言った。
「これはまた」
「そうだね」
「まあな」
ここでだ、龍馬はクラスの窓の外を見た。見ればまさに嵐だった。
「これじゃあな」
「それだけ出てても不思議じゃないね」
「というかな」
こうも言った龍馬だった。
「ここを帰るのはな」
「苦労しそうだね」
「傘さしててもな」
それでもと言うのだった。
「これは濡れるな」
「覚悟しないとね」
「ああ、そこはもう仕方ないか」
「こうした天気だとね」
「そうだな」
「こうした時寮生の子はね」
全国、そして全世界から人が集まる学校なので寮もある。野球部やラグビー部、柔道部は専用の寮がある。
「すぐだから」
「濡れてもな」
「そんなに困らないね」
「そうだな」
「まあ僕達はね」
「ああ、こうした時は辛いな」
自宅から通学している、しかも徒歩の時が多い人間はというのだ。
「やっぱり」
「そうだね、けれど仕方ないから」
「傘さして帰るか」
「傘でもね」
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