第十一話 嵐の中でその九
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「本当にね」
「午後は確実だな」
「降るね」
「しかも天気予報だとな」
龍馬もそれの話をした。
「風も出て嵐だってな」
「やっぱりそうなるんだね」
「本当にあの魚ってそうした魚なんだな」
「そうかも知れないね」
「出て来たら荒れるか」
「嵐になるんだね」
「傘は持って来たけれどな」
それでもとだ、龍馬は難しい顔で言った。
「それでもな」
「雨は上からきたらね」
それならとだ、優花も難しい顔で話す。
「傘だと大丈夫だけれど」
「横から来たらあまり効果ないからな」
「うん、しかも強い雨だと撥ねるじゃない」
「雨がな」
「地面でね」
「それで足が濡れるからな」
「身体の一部位しか守ってくれないんだよね」
嵐の時の傘はというのだ。
「ないよりずっといいけれど」
「そうなんだよな」
「大きな風だと傘が壊れるしね」
「ああ、ひっくり返ってな」
傘自体がである。
「そうなるからな」
「そうなったら傘の骨が折れるしね」
「折れても使えるけれどな」
傘の骨がだ、そうした傘にしてしまったことは龍馬にも経験があるし勿論優花にしてもある。
「あまり格好はよくないな」
「どうしてもね」
「だからな」
「風にも注意しないとね」
「というか午後から風も凄いらしいな」
龍馬はまた天気予報で見たことを話した。
「雨に加えてな」
「壮絶な帰り道になりそうだね」
「警報出るかもな」
「出るんじゃない?」
実際にとだ、優花は答えた。
「あまりにも凄いと」
「そうなってもおかしくないかもな」
「本当に濡れない様にしてね」
「帰ろうな」
「帰りスーパー寄るつもりだけれど」
世帯めいた話題もだ、優花は入れた。
「それでもね」
「スーパー寄れるか?」
「難しいかもね」
「じゃあ今日は何作るんだ?」
龍馬はスーパーに寄れなかった場合についても尋ねた。
「そっちは」
「そうだね、買い置きがあるから」
「それで作るんだな」
「そうしてもいいしね」
「無理にスーパー寄るよりもな」
龍馬も言う。
「すぐに家に帰った方がいいな」
「今日はね
「こうした日もあるな」
今度はこう言った龍馬だった。
「なら仕方ないな」
「そうだね」
「卵とか買ってるのか」
「それとキャベツもあるから」
「そのキャベツも使ってか」
「何か作るよ、ソーセージもあるから」
「それだけあったら何とかなるか」
龍馬も優花の話を聞いて頷いた。
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