第十二幕その十二
[8]前話
「先生他の人にも贈ったの」
「そうだけれど」
「喜んでくれたみたいだけれど」
「とてもね」
「それならいいけれど」
それでもというのです。
「兄さんこうしたことには本当にセンスないから」
だからというのです。
「困るわ、とにかくね」
「とにかく?」
「この贈りものは女の人には贈らない」
「レディーにはだね」
「そう、そのことはしっかりとね」
それこそというのです。
「守ってね」
「よくわからないけれど」
「いいから守ってね」
怒った口調で言ったサラでした。
「わからなくてもいいから」
「そうなんだ」
「わかったわね」
「そうよ、絶対にね」
こうしたことを言ってでした、そして。
先生達にです、あらためて言いました。
「まあとにかくね」
「うん、北海道のことだね」
「楽しかったのね」
「とてもね、だからまた行きたいね」
「ええ、私もあそこは好きよ」
北海道はというのです。
「また行ってみたいわね」
「サラも行ったことがあるんだ」
「そうなの、函館や札幌にね」
「よかったね、あそこも」
「海の幸もよかったし」
「イギリスでは食べられないものばかりだね」
「だからよかったのよ、あとね」
こうも言ったサラでした。
「クッシーはいたかしら」
「見なかったよ」
「あら、私も見なかったけれど」
「いないかもね」
「そこはいると思うことよ」
サラは先生に微笑んで言いました。
「夢があるでしょ」
「それはその通りだね、僕もいると思っているよ」
「いつもそこにはいなくても」
「ネス湖と一緒でね」
先生のネッシーに関する説も出します。
「行き来してるんだよ」
「そうなのね、あの湖も」
「今度行った時は」
その時はと言った先生でした。
「クッシーにも会いたいね」
「そうね、私もね」
「そうしたいよ」
是非にと言う先生でした、そして。
ここでトミーがです、先生達に言いました。
「三時になりましたから」
「うん、ティータイムだね」
「それを楽しもう」
「それじゃあね」
こうお話してでした、そのうえで。
先生達は今度はティータイムを楽しみました、サラも置きものは置いて言うのでした。
「日本のお茶は何度飲んでもいいわね」
「そうだよね」
「今日は紅茶なのね」
「日本の紅茶だよ」
「ではそれを楽しみにするよ」
こう言うのでした、そしてです。
先生達は皆でお茶も楽しみました、神戸で飲むお茶にはまだ北海道の香りが残っていました。
ドリトル先生北海道に行く
2016・1・12
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