第十二幕その十
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「賛成出来ないね、僕達は」
「他のにしない?」
「他にもいいの一杯あるから」
「それは止めておこうよ」
「いや、北海道だよ」
だからと返す先生でした。
「それにこれは買っていなかったしね」
「だからなんだ」
「他のお土産はもう買ったから」
「それでなんだ」
「それにするんだ」
「サラさんと日笠さんに贈るんだね」
「これもね」
にこにことして言った先生でした。
「そうするよ」
「僕達は賛成出来ないから」
「もう言ったよ」
「確かに他のものも一杯贈ったけれど」
「それでもね」
「それはね」
「別にね」
いいというのでしたが結局でした。
先生はそのお土産を買ってでした、そして。
それも持って神戸までの貨物列車に乗りました、大量に買った駅弁を楽しみながらのとても楽しい鉄道の旅でした。
その旅の時にです、トミーは外の夜景を見つつ先生に言いました。
「僕達これまで世界中を旅してきましたけれど」
「それでもだね」
「はい、今回の旅もよかったですね」
「そうだね、北海道は最高だったよ」
「日本ですけれど他の地域とはまた違いますね」
「うん、元々は日本じゃなかったしね」
「蝦夷でしたね」
トミーはこの地名を出しました。
「かつては」
「そのまま日本じゃないって意味だったしね」
「『えみし』でしたね」
「昔の言葉でね」
「だから日本であってもですね」
「独特の場所なんだ」
「アイヌの人達もいて」
「北海道と沖縄はね」
先生は南の島、先生達が日本に来る時に見たその島のことも言います。
「そうなんだよ」
「日本であっても独特のものがありますね」
「そうした場所だよ」
まさにというのです。
「そしてその独特さもまたね」
「いいんですね」
「歴史には悲しい部分もあるけれど」
「それが全てじゃないですね」
「北海道も沖縄もね」
そのどちらの地域もというのです。
「そうだよ」
「色糸言う人がいますけれどね」
「その歴史の一部分だけをだね」
「そうした人達はですね」
「ちょっと違うね」
「おかしいですね」
「僕はそう思うよ」
これが先生の意見でした。
「それが全てじゃないから」
「僕達みたいに楽しむことがですね」
「いいよ、ではね」
それではとも言った先生でした。
「沖縄に行った時も」
「その時もですね」
「こうした楽しもうね」
「それじゃあね」
こうしたこともお話しました、駅弁も食べながら。
先生達は神戸に向かいます、東北から関東に東海にです。
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