第十二幕その九
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「キャンピングカーでね」
「北の海を見に行くのかな」
先生は王子にどうしてオホーツクまで行くのかを尋ねました。
「そうするのかな」
「そうなんだ、北海道だからね」
「オホーツクの海もだね」
「折角だから見に行くんだ」
日本の北の果てのその海までです。
「そうするんだ」
「わかったよ、じゃあね」
「行って来るね」
「道中気をつけてね」
「稚内とかでもラーメン食べるよ」
王子は明るく笑ってです、先生にこうも言いました。
「そっちも楽しみだよ」
「そうなんだ、稚内でもだね」
「行って来るね」
「それじゃあね」
こう笑顔でお話してでした、そのうえで。
先生達は到着したキャンピングカーに乗り込んででした、ホテルまで行ってシャワーを浴びてゆっくりと休みました。
そしてその次の日でした、王子と先生は別れてです。先生は皆に言いました。
「まずは電車で札幌まで行ってね」
「そしてだね」
「その札幌で予約している貨物列車に乗り換えて」
「それでだね」
「行きと同じで貨物列車には車両を用意してもらっているよ」
皆が乗り込めるそれがというのです。
「だからね」
「それに乗ってね」
「駅弁をゆっくりと食べながら」
「そのうえでだね」
「後は外の景色も楽しんで」
「神戸までだね」
「戻ろう、我が家にね」
先生達が今住んでいるそのお家にというのです。
「そうしよう」
「それじゃあね」
「旅行はお家に帰るまでだし」
「その時までね」
「楽しんで行こうね」
こうお話してでした、先生達はまずは札幌駅にまで行きました。ですがその札幌駅の中においてでした。
先生に動物の皆は言いました。
「お土産はまだ買えるよ」
「だからわかってるね、先生」
「まだ買うよ」
「いいね」
「うん、サラにだね」
わかっていないお返事でした。
「買っておくんだね」
「だからサラさんだけじゃないの」
「日笠さんにもだよ」
「全く、そこでそう言うのがね」
「先生なんだね」
わかっているよね、と念を押しながらも皆もわかっていないと思っていました。そしてそれはその通りでした。
「まあ今から買おう」
「ちゃんとね」
「サラさんと日笠さんに」
「さらにだよ」
「さて、何を買おうかな」
こんなお話をしながらでした、駅の中のお土産コーナーに行って先生がいいと言ったものは。
「これいいね」
「えっ、それ?」
「それ日笠さんに買うの?」
「サラさんにも」
「それはね」
「あまりね」
皆先生が選んだそのお土産に微妙なお顔で返しました。
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