第十二幕その七
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ウルが先生にです、目を細めさせて言ってきました。
「じゃあシホレさんにご馳走になってきてね」
「君はもうだね」
「ここにいるよ」
この山にというのです。
「それで休むよ」
「そうするんだね」
「うん、そしてね」
そのうえでというのです。
「冬はここで冬眠するよ」
「是非そうしてね」
笑顔でお話してでした、そうして。
先生達はウルとお別れしてでした、そのうえでシホレさんのお家にお邪魔しました。すると飄々とした感じのお爺さんが出て来て先生達に挨拶をしてきました。お家はごく普通の北海道の窓や扉が三重のとても暖かそうなものです。
「お話は聞いています」
「あっ、もうですか」
「ドリトル先生ですね」
「はい」
「そしてお友達の皆さん」
他の皆も見て言うのでした。
「宜しくお願いします」
「こちらこそ」
「宜しくお願いします」
王子やトミー達が応えます、そしてお爺さんはこうも言いました。
「わしの名前はシャクインといいまして」
「シャクインさんですか」
「シホレの旦那をやっています、ずっとこの町で郵便局員をしていました」
「郵便局の方でしたか」
「はい」
そうだったというのです。
「それで今は定年になって」
「そしてですか」
「悠々自適の生活です」
「二人でそうしているんですよ」
シホレさんも言ってきました。
「もう結婚して五十年になります」
「それは長いですね」
「この前金婚式となりますね」
「何よりですね」
「はい、それでは」
「これからですね」
「スープカレーをどうぞ」
先生達に笑顔で言うのでした。
「量も多いのでたっぷりと召し上がって下さい」
「それでは」
こうしてでした、皆で。
先生達はシホレさんのスープカレーをいただきました、そのスープカレーもかなりの美味しさで先生達も満足しました、そのカレーをご馳走になってです。
先生達はシホレさんのご夫婦と笑顔で別れました、その後で。
王子は先生にです、これからのことを尋ねました。
「それでだけれど」
「これからだね」
「うん、どうするのかな」
「今日はホテルはね」
「予約しているよね」
「ちょっと離れているんだ」
先生は王子に少し困ったお顔で答えました。
「ここからはね」
「そうなんだね」
「うん、だからね」
それでというのです。
「ここから行くとなると」
「少しだね」
「厳しいね」
「今日中にホテルに入るには」
「ここから離れてるからね」
「そうだと思っていたよ」
ここで、です。急にでした。王子はにこりと笑って先生に返しました。
「だからもうキャンピングカーを呼んでおいたよ」
「早いね」
「もうすぐそこに来ているから」
「じゃあそれに乗って」
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