誰かの声
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「盗んだもん壊すとか!!ドゥーンドゥーンドゥーン!!」
「・・・ごめんなさい」
苦労して手にいれたアイテムをふいにされて泣き叫ぶトレジャーハンターたち。壊してしまったハッピーは、反省しているようで、目に涙を浮かべて彼らに謝罪している。
「え!?でもあれ見て!!」
「「あ!!」」
せっかくの作戦が失敗に終わってしまい、暗い表情をしていると、ルーシィさんが何かに気づく。そこに視線を向けると、俺とウェンディにも彼女が何を言いたいのかすぐにわかった。
「たったあれしか氷が溶けてない」
「やっぱり初めっから、あの量の月の雫で村全体を救うのは無理だったんだ」
瓶が割れたことで凍り付いている地面に月の雫が溢れたのだが、それは液体が付着した部分しか溶けておらず、わずかな地面が見えるようになるのが限界だったみたいだ。
「そんなぁ!!最初から超ダメな計画だったのか!?」
「てゆっか!!あんだけ苦労したのによぉ!!」
「月の雫で、永遠の炎がドゥーンって溶けると思ったのに!!」
作戦が実は駄作だったことを知ったトレジャーハンターさんたちはみんな頭を抱えてそう叫んでいた。
「トレジャーハンターが魔法なんかにドゥーンって頼るからいけねぇのか!!」
「そうだな!!てゆっか、作戦変更だ!!」
「超やり直しだな!!」
「あの・・・皆さん?」
「口癖入れ替わってますよ?」
さっきまでの彼らの口癖がこの非常事態で頭から抜け落ちてしまったのか、ごちゃごちゃに混ざっていたのでウェンディと一緒に指摘しておく。
そんなことなど気にする素振りもなく、ナツさんが涙ぐむハッピーの元へと歩み寄る。
「ナツ!!ぶつならお尻にして!!」
お尻を彼に向けて身構えるハッピー。しかし、ナツさんは彼の横を通り抜けると、月の雫で地面が露になった場所に耳を押し当てる。
「なんか聞こえる。・・・誰かの・・・声?」
「え?」
「声・・・ですか?」
「地面からですか?」
妙なことを口走るナツさんに、キョトンとしている俺やウェンディたち。
「氷が溶けた地面から、誰かの声がする。呼んでるみてぇだ」
「呼んでる?」
「あぁ」
ナツさんは一度立ち上がり、顎に手を当てて物思いに耽っている。彼が耳を押し当てていたところに、ハッピーが耳を当てて何が聞こえるのか確認している。
「オイラには何にも聞こえないよ」
「そこ耳じゃないからな」
「あっと、間違った」
ナツさんと同じように顔の側面を地面に当てていたハッピーだが、彼の耳は頭に付いているのだから、そんなところを押し当てても意味がない。そう注意すると、気を取り直して彼は本物の耳を当て
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